時事

2018年大阪北部地震まとめ

2018年7月5日

2018年6月18日に大阪北部を襲った高槻震源の震度6弱のマグニチュード6.1の地震について、その後の岡山県の水害や、北海道での地震と立て続きましたので、影がかなり薄くなっていると当事者から見ても思いますので、大阪北部地震についてまとめました。

目次

地震の詳細

  • 震源…高槻市
  • 日時…2018年6月18日午前7時58分
  • 規模…M6.1
  • 最大震度…6弱
  • 死者…5人
  • 負傷者…416人
  • 住宅被害…6792棟(全壊・3棟、半壊・19棟、一部損壊、6770棟)
  • 大阪府内の応急危険度判定…6033戸(赤・163戸、黄・724戸、緑・5146戸)
  • 避難者…539人
  • 避難所…130ヵ所

インフラ状況

  • ガスの供給状況…24日夜に全世帯で供給可能
  • 交通…18日地震発生後交通各社の運行停止(交通マヒで帰宅困難者多数)
  • 交通…大阪モノレールは25日から本数を減らし運行(24日まで危険状態で運行を続けていた)

 

発生から1週間の高槻市受け入れのボランティアの状況

高槻市に全国から復旧作業に人員が集まって来ていただきました。

特にガスの復旧については、18日に供給が止まって以来24日に全世帯で供給可能になりました。

私の自宅では東京から作業員がお越しいただいて、親切に対応して頂けましたのでガス会社の連携のの強さが伺えます。

水道についても、19日の朝6時には復旧しています。

自衛隊も出動して、給水や仮設のお風呂を用意。救急も人員を確保されていました。

しかし、瓦礫撤去や家屋部分の復興ボランティアについてはかなりの時間を要しているようです。(2018年12月でも修理までは行き届いておりません)

このボランティアの管轄というのが市。つまり役所の動きは少し重かったのが印象として見受けられます。

まず、情報として入ってきているのはボランティアセンターの受け入れ態勢の問題。

地震発生後、ありがたい事に全国からボランティア協力電話が殺到していたようですが、何を思ったのか市役所は市内のボランティアで賄うという事でお断りをしたようです。

しかし、震災から1日2日と日が経つにつれボランティアの要請が殺到した事によりボランティアの人員が足らずに結局市外のボランティアの頼ると言う事になっています。

つまり、必要としている人がいるのにも関わらずに市側が全国のボランティアの早急な対応力を無碍にしたと言わざるを得ません。

完全に後手後手に回る結果となっています。

これは、市の防災に関する意識の低さが露呈してると言えます。

「まさか高槻でそんな災害が起こるとは思えませんでした。」

この発言は、市民を守る上の立場の人が言うべき言葉ではありません。今一度考えて欲しいものです。

ある学校の校長が、組織のトップが必要な事は「さしすせそ」だと言っていました。

  • さ…最悪を想定する
  • し…慎重に行動する
  • す…素早く、速やかに
  • せ…誠実に
  • そ…組織的に

市役所は残念ながらこの「さしすせそ」が一つも出来ていなかったのではないでしょうか。

今回の地震を経験として、体制の見直しを図っていただきたい。

NPOの受け入れ

私自身も、震災の中心におりましたが幸いな事に被害は時計と食器数枚で済みました。

ですので、即時ボランティア活動を継続させて頂いております。(2018年12月でもボランティアが必要)

まず、身内や知り合いのお手伝いから始まりボランティアセンターに連絡しました。

しかし、ボランティアセンターだと登録した次の日からの活動になるようなので自治体の活動と共に動いております。

そうした中で、市からの要請で高槻に来られると言う遠方のNPO法人の受け入れをお願いされました。

宿泊のお世話です。

人数は8名で、人員は入れ替わり立ち替わりながら1ヵ月の実働。

この様に、高槻に来て人助けをしてくれる人がいるという事は非常にありがたく感謝の念が堪えませんし、やはり来ていただいている方はボランティアのプロ。責任者の方のそつのない言動は感服です。

また、その方々がボランティアできるよう協力できるのも市に貢献できているようで、私としても嬉しい限りでした。

 

地震発生から2週間後は

7月1日も関連の余震でしょうか、大阪北部で震度3を計測しています。

そんな中、府で受け付けている義援金について、2億円を超えるとの見通しが明らかになっています。府は、住宅被害の大半を占める一部損壊の被災者を支援するため、避難所にいる低所得世帯やひとり親世帯などに一律5万円を支給する方針を示していましたが、対象を広げるとの考えを明らかにし、避難所にいるという条件が無くなるかもしれません。

また6月29日には、大阪北部地震による死亡とされてた市内の女性について病死だったと発表されました。死亡診断書などから地震発生前に死亡していたことが確認されたとのことです。これにより地震による死者を5人から4人に修正しました。

復興・ボランティアの状況は

復興の状況については、2週間経っても全てに手が行き届いたとは言い難い状況です。

私自身、屋根にブルーシートを張るボランティア活動に参加していますが、いたちごっこの様に次から次へと要望が入るようです。

しかしながら、ボランティア活動が活発に行われている為確実に進んでいる事は間違いありません。

見ていただくと分かるように、ブルーシートが張られているのはほぼ瓦屋根です。

特に、屋根の天辺部分が倒れているものが多く見受けられました。

ボランティア活動が、進んではいるが後からボランティア要請が増えてくると言うのには、理由があります。

震災から2週間多くの人とお話しする機会がありましたが聞くところによると、震災後に親戚に家に避難している家族や、震災後も日常通り仕事に行かなければならずに家の復旧に手が回らない事。

そして、お年寄りの方に多いのはボランティアに要請していいのか分からなかった、ボランティアがある事自体知らなかった等、理由は多くありました。

まず、ここで問題点なのはボランティアがあるという事を市民が周知していないという事です。特に一人暮らしのご年配者はどうしようもないわけなので、市としてしっかりと公示しなければならない事です。

市としても、知れ渡り一斉に依頼が来ると業務がパンクしてしまうという事がありますので慎重なのは分からない事も無いですが、こういう時こそ市の威厳を見せてほしいと思わずにはいられません。

また、噂によると社会福祉協議会(ボランティアセンター)とNPO等のボランティア側で、軋轢のようなものが生れていると聞きます。

話によると、役所側の最小限の人員と作業時間(定時)にこだわりがあるようで、ボランティア側の困っている人を片っ端から助けていきたいと言う所で、温度差があるようです。

どちらも、困っている人を助けたい一心なのは違いありませんが、役所仕事とボランティアの性格差みたいなものがぶつかってしまっているようです。

どちらにせよ災害で全国各地飛び回るようなNPO団体等と、初めて震災を経験する市の社協ではどちらが正しい判断が出来ているかは分かると思いますが。

ボランティアの手が行き届かない

震災後にボランティアの手が行き届くまでに、少し時間がかかった印象があります。

まず、一番は初動で市外からのボランティアを受け入れなかった事もありますが、その後のボランティアの手を十分に生かせなかったことも言えると思います。

これは、予め災害に備えたマニュアルやスキームが出来ていなかったと言わざるを得なく、市側の落ち度ではないでしょうか。

挙句の果て遠方から来ていただいているボランティア団体も気を悪くして、予定日を前倒しして帰ってしまうという事もあるようですし。

因みに、まだボランティアを必要としている世帯もあります。

被災地では、主に屋根の損壊が多いので善良な工務店と悪徳な工務店が散在してしまっているようなので、ボランティアが行き届き最低限の復興の後も屋根修繕でカオスな様相も予想できます。

ボランティア活動をしていながら正直少しわだかまりがあり、現場で肌で感じた印象はあまり良いものとは言えません。

ボランティアという素晴らしい活動。これも手掛けるプロデューサーのような指揮とりが重要だと感じています。

 

災害時の問題点

7月に入り、全国的に記録的な豪雨に見舞われ大規模な災害となりました。

というのも、今回の降水量は数十年に一度と言われる量が一気に集中して降っているからです。

大雨も1日単位で分けて降れば、水は掃けていくのですが今回は数日にわたり降るという事なので水の逃げ口もありません。

小さな川では既に決壊しているところもあり、また、山間では土砂崩れも起きています。

実に5日間にわたる大雨でした。

行方不明者や濁流にのまれた方も出たほどの、大雨が震災後にありました。

震災被災地にも大雨

震災被災地である大阪北部でも例外なく大雨となっています。

震災で瓦が崩れた家屋にブルーシートを張るボランティア活動をしていただけに、そういったお宅が雨漏りしていないか、非常に心配でした。

また、ブルーシートを張る作業も追いついていないようだったので、まだのところは今回の雨で二次被害があるだろうと予想されます。

高槻市で雨の中、屋根で作業している50代男性が落ちてしまい、顔面と両手を骨折したというニュースがありました。

ボランティアをしていると、工務店の方やボランティア活動の方と仲良くなります。結構年齢層が高く、50代の方も多くいます。

私も、先日の作業中に屋根の上で夕立にあい瓦屋根ですので予想以上に滑り足が竦みました。

危険度を再確認させてくれたのではないでしょうか。まだまだ屋根に上る機会がありそうなので肝に銘じなければなりません。雨に屋根作業は大変危険です。

また、ブルーシートをかける作業をしていると住人から様々な声が聞こえてきます。

隣のお宅とは違う張り方をしていて不安なので、やり直してほしいと言ったことです。

ブルーシートを張る上で特にルールはありません。また、ブルーシート張りのプロ業者は存在しません。

そのため、張り方が人や材料によって変わってきます。

もちろん、ブルーシートは風に煽られやすく屋外ですのでしっかりと固定しなければ飛んでいってしまいます。

そのブルーシートが道路や、線路などに行くと非常に危険で大きな事故に繋がりかねません。

ですので、ブルーシートを張ると言っても安易には張ることはできません。

基本的には土嚢で重しをしてブルーシートを飛ばない様にしたり、建物の柱に括り付けるのですが、ところによってはガムテープで固定してるところもあったようです。ガムテープを信頼しすぎに思いますが、それでは風に負けてブルーシートが飛んでしまいますよね。

こういったように、決まった方法はありませんが風や雨に負けるような処置ではブルーシートの意味がありませんね。

これもまた、トラブルや二次災害が起こらない様に予めマニュアルを作る必要性があると感じました。

その方が、作業効率も上がりますし意思疎通がなくても捗るので悪くないと思いますので。

問題点まとめ

今回の震災を目の当たりにし、そして様々にボランティアに参加させてもらう中で、もっとこうした方が良いのでは?という場面が、今の時点でも多くありました。

ボランティアの采配にしても、ボランティアの実務にしても。細かいところで言えば、こういった道具があれば便利だろうな。という所まで、随所に改善できるところが多くあります。

滋賀県米原市で竜巻による大きな被害があった家屋もあります。

現在は、全国的に豪雨で更に災害国であることを思い知らされている最中です。

特に、熊本や東日本の震災の後にも水害がありましたのでなんとなくは嫌な予感はしていました。

震災と水害はセットだという認識が少しあった方が良いのかもしれません。

何事も備えあれば憂いなし。

災害はある国です。どのように付き合っていくかが重要な事だと思います。

 

倒壊したブロック塀

大阪北部地震で犠牲になった小学4年生の少女は不慮の事故とは言いがたく、市の怠慢によるものだという事が明るみになってきました。

事件の現場となった学校側も、3年前にブロック塀の危険性を市の教育委員会に指摘。

その後に、市からの職員が検査を実施しましたが安全という判定だったとのことです。

検査の内容は、ハンマーで叩くだけの強度点検というあまりにもいい加減な検査ですので、学校側からの指摘が全く生かされておらず、今回の残念な事故へと繋がってしまいました。

この事故を受けて、全国の塀を点検するという方針が打ち出されましたが、犠牲者が出てからなのであまりにも遅いという危機管理の甘さを感じました。

指摘を市にしていた学校側もまた被害者ですし、大人の言われるとおりに歩行者道路を歩いていて、ブロック塀の下敷きになってしまった女の子がかわいそうです。

高槻には、この事故現場のブロック塀と全く同じような塀が多数あります。

早急に全て撤去して頂きたいと思います。

ブロック塀は盲点なのか?

ブロック塀については、偶然にも先日当ブログでもDIY記事として出しています。

記事の中で、

DIYでブロック塀を作るには、必ず建築施工管理技士、ブロック建築技能士、コンクリートブロック工事士の指導の下行いましょう。

施行も危険が伴いますし、完成品に欠陥があれば崩壊して危険な事故に繋がる可能性もあります。

と、書かせていただいています。

素人でも、ブロック一つ一つの重さに殺傷能力が十分にあると分かります。

ブロック塀をDIY

もちろん私はプロの業者と同伴で立てていますし、今回の地震でも被害はおろかひび割れも見られませんでした。ちなみに震源から近い場所で、震央に関しては100m程の立地です。

今回は、ブロック塀に焦点が集まりますが地震の被害は様々なところにあります。

中でもやはり、建物自体が一番危険だという事はいうまでもありません。

学校の校舎は、古いところは建て替えが進んでおり、古い建築基準の時代に建てられているものは大きな筋交いが外壁にむき出しで補強されているのを多く見かけます。

市としても、さすがにそこは手が抜けないという判断だったのでしょう。

とはいえブロック塀は盲点になるとはいえません。ブロック塀も、しっかりと建築基準に即して建てなければならないので。

その建築基準を作るのは国。市と国はほぼイコールの団体です。民間業者に委託したとはいえ、自分でルールを作って、自分がルール守らないという事に関しては憤るばかりです。

 

悪徳業者に注意

大阪北部地震で損壊にあった家屋が多くありますが、その補修で多くの業者が高槻へ来ています。

もちろん、困っている人を助けたいとの思いで高槻まで出張ってくる業者が大半だとおもうのですが、一部ではこの災害を金儲けに利用しようと暴利を貪る業者もあるようです。

実際に私の知人はお墓が倒れ、その修理に来た業者は見積もりで、全国相場の3倍以上の多額の見積もりを出してきたようです。

信頼できる地元業者を紹介してもらい再見積もりしてもらうと相場以下になったようです。

その他の住宅でも、瓦屋根の葺き替えでは800万円の見積もりを出してきた業者もあるようです。

因みに、知り合いの工務店が見積もりをしたら100万円程だったようなので、いかに悪徳であるかが分かります。←これは、又聞きなのである程度盛られた話かもしれません。

業者選びは慎重に

業者がするから間違いないと、私達一般は思ってしまいがちですが、業者のクオリティやコスト面では大きく違います。

特に、今回のように多くの需要が見込まれる状況では外からも様々な業者が集中的に集まってきます。

供給が追いつかない事は目に見えてわかるので、本来ならありがたい事なのですが不慮の事態で出来れば相場か相場より安く修理を依頼したいところです。

合い見積もりも希望したいですが、状況も状況なので急を要しないのであればしばらく時間を置くことも必要だと思います。

早く修理したい気持ちは十分に分かりますが。

しかし、相場の分からない人の足元を見て見積もりをあげる業者も見受けられます。

需要に供給が間に合わなければ相場が上がってしまうのは常ですが、あまりにも不適切な見積もりをあげる始末。

これは市民を守るという観点から、市が適正価格の周知の徹底をはかる必要があると感じます。

又は、今回の被災された世帯は市が窓口となって作業は業者に差配するという形がとれたら、ぼったくり被害は減るでしょう。

若い世代や家族がいる世帯は多少安心できますか、一人暮らしの女性や高齢者はカモにされないか心配です。

天災による2次被害ではなく、人災による2次被害は避けたいところです。

 

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