2018年11月24日未明に行われた加盟各国の投票で、大阪が万国博覧会の開催地に決定しました。
大阪では、1970年の大阪万博以来55年ぶりの開催になります。
過去の実績と、運営能力の高さが評価されました。
目次
1970年の大阪万博
1970年の大阪万博の概要は
会期 | 1970年3月15日(日曜日)から9月13日(日曜日)までの開催の183日間 |
テーマ | 「人類の進歩と調和」(Progress and Harmony for Mankind) |
海外参加 | 76カ国、4国際機関、1政庁(香港)、アメリカ3州、カナダ3州、アメリカ2都市、ドイツ1都市、2企業 |
国内参加 | 32団体、展示館32館 (日本政府、日本万国博覧会地方公共団体出展準備委員会、2公共企業体、28民間企業) |
入場者数 | 6421万8770人 1日の最高入場者:83万6千人 ※9月5日(土)に記録 平均入場者数:35万人 |
会場面積 | 330ha |
入場料 | 大人(23歳以上):800円 青年(15~22歳):600円 小人(4~14歳):400円 ※当時の平均月収は5万円 |
万博のシンボルマークのデザイン | 大高 猛氏 |
引用元:万博記念公園
入場者数は、見ての通り6400万人と大盛況だったことが伺えます。
因みに、当時の日本人口が1億人前後です。
実際に、黒字運営だったようですし、万博に伴い国道・高速道路・鉄道の整備が進み、万博景気が全国に波及し、経済界の公共にも大きく寄与しました。
この1970年の経済波及効果は2兆円だったと言います。当時の大学初任給は5万円にも達していない時代なので、当時のこの金額の大きさが分かると思います。
高度経済成長とともに莫大な経済効果をもたらした万博になりました。
経済効果は?
今回開催が決まった、2025年の大阪万博での経済効果と入場者数が予想されています。
- 日本の経済効果は2兆円予想
- 大阪府では5000億以上見込み
- 入場者数は3000万人見込み
という所ですが、大阪府としては「万博を一過性のものにせず、関西発展のきっかけにすることが大切」としています。
大阪万博のキーワードは「持続可能な開発目標(SDGs)」とされています。
更に、忘れてはならないのが、ここにIRが入るかどうかでも大きな経済効果が見込まれます。
IR法案(カジノ法案)とは?大阪でのメリット・デメリットは?
2025年のIRと大阪万博の経済効果なら2兆6000億円となり、万博以降もIRは残るので次年以降もIRは1兆円規模の経済効果が続くと予想されています。
まさに、大阪府の求める一過性にしないという面がIRで保管されるのです。
建設費用や会期は
今回の大阪万博の会場建設費は、約1250億円となっています。
また、運営費は820億円となっておます。
この建設費の負担は、国・府・市が3分割して捻出する事となっています。今後の課題は、更に民間資金の確保となります。
さらに、インフラ整備等が700億円とされていますが、これはIRの事業者に大半を負担させるという考えがあるようです。
2025年の大阪万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」となっており、会期は5月3日~11月3日の185日間で150か国参加し、国内外から3000万人の来場を予定しています。
儲かるのか
大阪は商いの町。
どれくらい儲かるのか、大阪人は電卓を叩くに違いありません。
既に、誘致活動で数十億円を投入していると言われますが、それは開催決定で回収できるにしても、民間企業・我々国民にどれだけ恩恵があるのかも気になるところです。
もっと言えば、開催地の夢洲・咲洲地区は2008年のオリンピック誘致失敗の負の遺産。
その際に投入した費用の回収も必須となります。
経済効果とは
今回は多くで2兆円の経済効果があると言われますが、2兆円儲かるという事でしょうか?
まずは、ここから考えてみたいと思います。
経済効果というものは、ある国や特定の地域でどれだけの影響を与えたかという大きさを、金額で換算したものになります。
金額で表す事で、より具体的な数値や客観性から影響度を測ることができます。
また、経済効果は「利益(儲け)」部分ではなく、「売上」部分が計算されますので、今回の経済効果2兆円は、利益ではなく売上の総計になります。
波及効果と直接効果
経済効果は、「波及効果」と「直接効果」があります。
分かりやすく例を挙げると…
プロ野球でのチケット売上。これは、球団の直接的な売上げになるので「直接効果」。
そのプロ野球に付随した、交通費、飲食代、雑費などが「波及効果」になります。つまり、プロ野球という目的のために関わる出費殆どが波及効果になるのです。
有望企業
これから、開催までに企業として大阪万博の恩恵を受けると思われる企業は多数あります。
例えば、夢洲に物流用地をもつ「ヨコレイ」や、鉄道延伸や開発工事では「京阪ホールディングス」「五洋建設」等も大きな事業が舞い込むことが予想されます。
その他、飲食企業やファッションなど、BtoC企業も夢洲へ乗り込んでくることでしょう。
会場内外で、様々な企業が万博需要の恩恵を受け、更には、地元民の雇用拡大へも繋がります。
しかし、万博で企業が恩恵を受けるには準備段階からトータル的なマネジメントも必要となるでしょう。
予測されるのは、人手不足。働き手をどれだけ揃えるのかが一番のポイントとなるのかもしれません。
治安悪化の懸念から、既に人手が足りないとされる警備会社も更に人手が必要となってくると思います。
警備会社としても、万博のような大事業に入り込めると相当なゲインがあると思いますし、企業としてもあらゆる面で大きな成長に繋がります。
今後、万博を巡って様々な企業が競争を繰り広げると思われます。