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新築戸建ての原価は?材料費だけならいくらで家は建つ?

2020年7月7日

新築戸建ては、反復して購入する人なんかは限られていますので、人生で一度きりの買い物という人が大半ではないでしょうか。

ですので、よくよく調べて購入しますので新築戸建ての相場観というものもある程度見えてくると思います。

ですが、相場は相場であって原価というものまでは目が届かないところにあります。

そこで、新築戸建ては原価はどれくらいなのか調べてみました。

目次

日本の建築費用事情

国土交通省住宅局の平成30年度の調査によると。(土地代除く)

  • 注文住宅建築費用(全国)・・・約3200万円
  • 注文住宅建築費用(三大都市)・約3400万円

となっています。

土地をつけると、

  • 注文住宅建築費用(首都圏)・・・約4800万円
  • 注文住宅建築費用(近畿圏)・・・約4200万円

となります。

自己資金に関しては、およそ30%を用意する割合が多いようです。

平均となる新築戸建て

今回は新築戸建ての建築費用である全国平均3200万円を元に、原価はどれくらいなのかを探っていきます。

では、3000万円の新築戸建てはどれくらいの広さなのかと、考えると様々あります。

屋根にしても、家の形にしても十人十色で掛かる費用も様々。

ですので、最も平均的と思われる木造2階建て30坪の建築面積に延べ床面積130㎡を基準に考えていきたいと思います。

建物のみならば

新築戸建ては、様々なハウスメーカーや工務店が自社のノウハウで建築していくものです。

先に答えを言いますと、新築の原価は販売価格の60%で40%は住宅メーカーや工務店の利益と言われています。更に、人件費等を省いた材料のみの原価は坪15万円という計算も出ています。

販売価格の中には、当該物件に関わらない広告宣伝費も含まれていたり、工務店やメーカーのブランドという様々なコストがあり、知らないうちにバックマージンやオプションまでも建築費用に加算されています。今回はそれらに加え人件費なども引き、純粋な建物の材料だけの費用の内訳をみていきたいと思います。

上記の原価通りなら、延べ床40坪ですので600万円くらいになるはずです。

基礎工事

建築物には基礎は欠かせない重要な工事です。

相場では、ベタ基礎30坪程度で150万円程になります。

では原価はというと、砕石+鉄筋+コンクリートですので、これらの費用が分かれば簡単です。

厳密には、コンクリートパネルや木材と基礎の接合金物も必要です。

コンクリートの厚みを15㎝で100㎡に敷くと、15㎥となります。立ち上がもざっくり考えると、20㎥ほどのコンクリート量と考えます。

生コン車で1㎥が約15000円程ですので、20㎥×15000円=30万円。

そこに、砕石。10㎥ほどだと5万円。

鉄筋はD13の250mmピッチ10mが180本で重さが約2トン。価格は約15万円

これらの合計は

コンクリート30万円+鉄筋15万円+砕石5万円=50万円

つまり、基礎の材料代は50万円。

しかし、主な作業は重機ですし、立ち上がりには枠も必要ですし、地盤改良も必要です。人工や工期を考えてもしかり。

それらを考えると、基礎工事はそこまで乖離はしていない相場だと思います。

木材の量(躯体工事)

戸建建築の必要な木材の量は合板を除き1㎥あたり0.19㎥の木材が必要なようです。

ですので40坪(130㎡)では25㎥の木材が必要となります。

これを木材の本数に試算するとおよそ80本弱となります。(高さ22m直径25㎝の木)

参考 https://www.maff.go.jp/j/heya/kodomo_sodan/0111/08.html 農林水産省

ツーバイフォーや在来工法など、工法はありますが、比較安価なツーバイフォー工法を基準とします。

柱は1坪当たり2.5本が平均のようですので、柱角は100本。金額が1本あたり3000円と計算すると30万円で柱は完結します。柱だけで上記の25㎥うち4㎥なので残り21㎥。

次に梁が一番高額になるので、梁を別に計算すると、必要な通し梁は4本で5万円程とすると20万円。

その他、残りを20㎥を貫・垂木・押椽・小割・平角等を、㎥単価少し高めの8万円で計算すると、20㎥×8万円=160万円です。

合板などを除く枠だけで、計算上ですが計210万円です。

断熱・内装工事

合板は160枚ほど使用すると考え約20万円。

石膏ボードも同様160枚として約6万円。

更に、床下・屋根裏断熱材が約40万円。

フローリングが約30万円。

クロスが約10万円。

内装に関してはおよそ106万円です。

屋根・外壁工事

屋根や外壁は選択肢が多く、選択によって大きく金額が変わってきますので、ここでは最も一般的なスレート屋根と、サイデイングにしたいと思います。

ここでも、材料のみで計算すると…

スレート屋根は棟包みを含め120㎡で約35万円。

サイディングは30坪で約25万円。

外壁に関しては、材料費のみであれば60万円です。

本来であれば、ここに職人の技量と、養生や足場、工期がかかってきますので、材料費だけを見れば驚きです。

電気・水道・ガス

電気・水道・ガスの引き込みも必要になります。

新築戸建を建てる際は、このライフラインと外構工事は建築費用から分離されている事が殆どですが、載せておきます。

電気のほうは、引き込む電圧が200Vや地下埋設、電柱が遠くなければ、基本的に引き込みは無料です。

ガスの引き込み工事は20万円程度が相場で、水道は少し費用が掛かりますし条件にもよりますが、安く済めば50万円程度です。

実際、材料代なんかは、ガス管とガスメーター、塩ビパイプと水道メーターくらいなので、全然安いものですが専門的ですので、今回の紹介は相場です。

設備費は

住宅に必要な設備は、お風呂・キッチン・トイレ・洗面台です。

今回は細かくサッシや建具、照明、インターホン等を含めて考えてみます。

以前、リフォームについての記事で設備がどれだけ安くなるのか調べましたので参照すると。

  • キッチン
  • レンジフード
  • システムバス
  • トイレ×2
  • サッシ×10
  • 建具×10
  • 玄関ドア
  • 門扉
  • インターホン

上記をザっと材料費を見積もると100万円強となります。

戸建原価価格表

戸建を建てるのに、どれくらいの原価なのか分かりやすく表にしてみると。

材料 価格
基礎工事 砕石 50000
鉄筋 150000
コンクリート 300000
躯体 300000
200000
その他 1600000
内装・断熱 合板 200000
石膏ボード 60000
断熱材 400000
フローリング材 300000
クロス 100000
外装 屋根 350000
外壁 250000
付帯工事 電気 0
水道 500000
ガス 200000
設備 キッチン 120000
システムバス 250000
トイレ 120000
サッシ 300000
建具 200000
玄関ドア 50000
インターホン 20000
合計 6020000

まとめ

今回の新築戸建ての原価調査で、異論ある人もあるかと思いますが、材料費だけでいえば3000万円で販売の戸建は約600万円で建つという事が分かりました。

先ほど言ったように、延べ床40坪ですので600万円くらいになるはず。というまさにその通りになりました。

ですが、大雑把な調査なので細かく見れば、もっと必要なものもあります。

TVアンテナは?雨どいは?階段の手すりは?電気の配線・コンセントは?等々、ありますが、プラス100万円でも700万円。

もちろん建築には人件費や委託費・諸経費があります。

人件費を考えれば、新築戸建ての工期は準備期間を省き大体4ヵ月。

4人で1日1人工20000円を4ヵ月。土日を省き約90日。(坪/人工ではなく純粋に稼働日数で考えれば。←見積り云々ではないので)

20000円(日給)×4人×90日=7200000円

当たり前ですが、材料費よりも人件費にお金がかかることが分かります。

先に新築の原価は販売価格の60%で40%は住宅メーカーや工務店の利益という事を言いましたが、上記の材料費と人件費に加え、足場や輸送費・委託費などを含めると、本当に販売価格の6割という数字に近くなります。

なんにせよ、今回知りたかった家というモノのみの純粋な原価は約600万~700万円であるという事です。

3000万円のうち、600万円が原価という事は、高いと思うか安いと思うかはそれぞれだと思いますが、個人的には多くの人の手間と時間を拘束するので、打倒かと。

利益率が良すぎるのも、多売できない宿命ですね。

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