相続対策として、ここ最近ではハウスメーカーや不動産・工務店の営業が活発になっています。
私自身も私の周りでも、実際に営業が来たという人もいますので、土地があればどこでも賃貸経営を進められるという機会が多くなりそうです。
ですが実際に、不動産の経営をするのに営業に来られるように建てた方が良いのか、中古物件を買う方がいいのかを考えていきます。
目次
建てるにはどれくらいの費用がかかる
これはあくまで相場観ですが、
- 木造 坪50万円以内
- 鉄骨 坪70万円以内
- 鉄筋コンクリート 坪100万円以内
- 鉄骨鉄筋コンクリート 坪110万円以内
以内と書いているのは、それ以上だと高いということです。
もちろん、それぞれグレードによりますし、建築条件でも金額がかわってきます。
さらには、本体料金の相場は上記ですが、+で外構や駐車場などのエクステリア関係もプラスされますので、建物だけで計算しないよう注意が必要です。
買うにはどれだけかかる
中古物件を買うには、ただ物件の金額を用意すれば良いという訳ではありません。
購入後にかかる諸経費も計算にいれておきましょう。
- 不動産所得税
- 印紙税
- 手数料
- 物件修繕費
- 登記費用
物件を購入しても、購入費用の7%前後はかかる事を把握しておきましょう。
土地あり建物無しvs中古物件
今回は、土地があって建物がない人が、賃貸物件を建てるか中古物件を買うかで悩んでいる場面での比較をします。
この場合は、その建築予定地と購入物件の立地に大きく関係します。
都心の場合
都心の場合は中古物件を買うよりも、土地があるなら新築で建てた方が良いでしょう。
土地があるのであれば駐車場等の選択肢もありますが、都心の場合は賃貸需要も高く、強気の家賃設定でも満室になりやすい環境にあるからです。
反対にもし都心に中古物件を買うとなると、かなり高額な事が多いですし大きな利回りも期待できません。
買って大改修を行い、物件価値を高めて売却するキャピタルゲインの方が、利益を出しやすいでしょう。
田舎の場合
田舎の場合は、新たに建てても満室になる保証はありませんし、家賃帯も低価格に設定しなければなりません。
ですので、建てるよりも中古物件を購入した方が良いでしょう。
田舎で中古物件となると、安価で買えることもありますし満室になった時の利回りの高さは魅力的で、短期間で元を回収し利益としていく事もあります。
田舎と都会で新築賃貸比較
上記をうけて、分かりやすく新築を田舎で建てるのと、都心で建てるのを下記条件で比較すると。
- 1LDK6室 延床面積 100坪
- 鉄骨造
- 建築費用 7000万円
田舎の場合
田舎の場合、新築1LDKでも場所によれば5~6万円前後。
6室すべて満室になっても、単純計算で
5万円×6室=30万円(年間360万円)
建築費を取り戻すのにおおよそ20年ですので、表面利回りは5%でかなり弱いです。
しかも田舎にありますので、満室を維持するのも難しく、20年もかかれば建物自体の価値が薄くなるでしょう。
都心の場合
都心であれば新築1LDKだと15万円以上は取れるでしょう。
この時点で田舎の賃料より3倍の収益が見込めます。
6室満室だと…
15万円×6室=90万円(年間1080万円)
建築費は7年で取り戻せますし満室の維持も難しくなく、7年後でも都心であれば建物も付加価値として相当な売値で売却できるというメリットもあるでしょう。
まとめ
大雑把な計算をしましたが、田舎と都会では固定資産税等、かかる費用も大きく違いますので単純に比較できない事は間違いありませんが、都会に魅力があるのは不動産業界では当たり前の事です。
しかし、入り口として田舎に物件をもち、高い利回りで資産形成をすることも間違いではありません。(金融リテラシーの高い人は特に否定的な意見が多いですが)
手持ちの資産が少ないのであれば、田舎から賃貸経営を始めて、高い利回りで元手を取り戻し徐々に都市に進出していく事がベターでしょう。(田舎物件は担保評価が出にくい)
多法人スキームなど、あの手この手で融資を引っ張ることも最早トレンドとなってしまっていますが、不動産投資のインカムゲインを狙うなら長期戦略がベターですし、長期でも健全な経営が向こう何十年でも日本は成り立つはずです。