不動産業は国内マーケットでも4位に位置する大きな市場です。
日銀のマイナス金利で竣工ラッシュや東京オリンピックを控え、更なる好景気になっている不動産業界。
東京オリンピック以降は不景気に見舞われるといわれますが、賃貸業はどうでしょうか。
リーマンショックの時は確かに売買では大きな影響があったでしょうが、賃貸の家賃が下がったでしょうか?
賃料相場が下がったなんて聞いたことがありません。つまり、賃貸業は景気に影響されにくい業界と言えるのではないでしょうか。
目次
人口減少で空き家がでる?
人口減少が、不動産業には大きく影響してくることは確かにいえます。
空室率の問題があり、この空室こそが不動産オーナーの怖い損失ですので。
単純に人口が減れば、お客さんが減るわけですから良いこととは言えません。
しかし、日本で人口減少と共に何が進んでいるかというと、核家族化です。
世帯規模が縮小(核家族化)している事は、賃貸業には大きなメリットです。
- 平成22年 人口1億2800万人 世帯数5184万世帯
- 平成27年 人口1億2700万人 世帯数5333万世帯
上記の総務省の統計ですので確かなものですが、総人口がこの5年減少傾向にあるのに対し、世帯数は150万世帯も増加しているのです。
つまり、住む場所に関しては需要が高まったといえます。
一概に、人口減少が賃貸業を脅かすという事ではなく、むしろ核家族化が賃貸需要を高めているという理解でいいかと思います。
因みに、統計上では2040年には人口が1億1000万人を切りますが、世帯数は5000万世帯を下回りません。
マイナス金利で物件が乱立
2015年の相続税改正により、マンション・アパートの建築が相次いでいます。
課税額の減額、回避が可能になる不動産は相続税評価額が特例により実勢価格よりも低くなります。(相続税対策)
更に、冒頭でも少し言いましたが日本銀行のマイナス金利政策(低金利)により融資が受けやすくなったことも着工数の増加につながっています。
物件の供給過多。という言葉が不動産オーナーを惑わせますが、これは賃貸物件ではなく戸建販売の方での事が言えるのではないでしょうか。
戸建分譲地で空き家が目立つのは確かにいえています。
空き家率の上昇?
総務省の統計で空き家率が上昇しており、現在の空き家率13.5%から2040年には40%を超えるという悲惨なデータが出ています。
しかし、よく考えてみてください。
高齢化・人口減少で空き家が増えるのは当たり前ですが賃貸オーナーが悲観する事もありません。
なぜなら、このデータは持ち家を含めたデータになります。
核家族化によって家を出た子供は他に家を購入しているか賃貸に移り住んでいる事もありますので、その家の人がいなくなれば空き家になるのは当然。
簡単に言えば、家を相続しても扱いに困る人が、現状おられるように処分待ちの物件も多く出てくるという事です。
人口減少も確かに空き家率に影響を与える事は違いありません。母数が減るわけですので。ですが、先述したように世帯数は伸びています。
因みに、年齢別の持ち家率は…
- 30歳未満 10%前後
- 30~40歳 35%前後
- 40~50歳 60%前後
- 50~65歳 75%前後
- 65歳以上 80%強
上記で最もウエイトを占めている65歳以上が80%も持ち家という事は、持ち家空き家が大きく増えるということ。これが賃貸業を惑わせているといえます。
賃貸需要は今後も増える
先ほどの持ち家の話と繋がりますが、現在の持ち家と借家のそれぞれの世帯数は。
- 持ち家 約3000万世帯
- 賃貸 約2000万世帯
となっています。
年齢別の持ち家率を見直して頂くと分かるように。30~40歳の持ち家率は40%に満たない水準となっていますが、過去を遡れば、昭和終盤は 30~40歳の持ち家率は50%を超える水準でした。
更に言えば、30歳未満でも昭和終盤では持ち家率25%前後が、現在では10%前後。
つまり、家を買うよりも賃貸に住むという事がスタンダードになってきているといえます。
さらに核家族化で、世帯数は伸びていますので、賃貸業会には追い風と言えます。
まとめ
不動産経営は、資産が資産を生み出すという最たる例だといえます。
銀行から融資で購入した物件で採算がとれるのであれば、借りたお金で資産形成している訳ですから、借りたものを完済すれば、手元に残る物件は懐を痛めず、まさに自分の資産になるわけです。
この自己資金以上の投資を出来ることが、不動産業の特徴であり強みでもあります。
今はマイナス金利政策で融資も受けやすくなっています。(審査は厳しくなっていますが)
経営というだけあって、しっかりと運営はしていかなければなりませんが、管理に関してはある程度業者に任せることができます。
そこで不動産経営をするうえで、非常に重要な点は、
- 細かい情報収集
- 的確な判断・採決
- 将来的な見通し
- 収入・支出のバランス感覚
- 物件を見る目
まだまだ、要素はたくさんありますが大きな金額が動く業界ですので、金銭的には派手になりますが、実際のオーナー業務は地味な事が多いです。
将来を見据え、不動産経営で収入を得る人が今後増えると思いますので、不動産経験者の視点から記事にしてみました。