世界ラグビーの勢力図は、広く見ればティア1の欧州6ヵ国・南半球4ヵ国の強豪国となっていますが、ニュージーランドと南アフリカの2強の構図となっています。
では、なぜニュージーランドと南アフリカがラグビーにおいて圧倒的に強いのか考えてみました。
目次
発祥はイングランド
ラグビーの発祥は、イングランドです。
前にも記事にしていますが、元々はサッカーと同じソースです。
ニュージーランドや南アフリカは、イギリスの植民地であったという経緯から世界でも早くからラグビーが発展した国でもあります。
スポーツと言うものは、代理戦争のような役割もあると言われます。
もしかしたら、ラグビー本国に勝ってやるという反骨芯からイギリスに代表選手を送り、ラグビーの水準が向上し、今の世界的強豪国として発展したのではないでしょうか。
ニュージーランドのラグビーとは
ニュージーランドは皆さんご存じ「オールブラックス」というチーム名で、世界中のラグビーチームで最も有名なチームであり、世界のあらゆる国に勝ち越している最強のチームでもあります。
あらゆる国の代表チームの中で、最も成功しているチームと呼ばれる事もあります。
ニュージーランドでは、ラグビーが圧倒的No1スポーツであり、オールブラックスの選手は広告塔として、ニュージーランド国内で目にしない方が難しい程です。
日本でいうと、野球・サッカー・大相撲を一つに集約したくらいの人気を誇ります。
子供は、物心つく頃にはラグビーボールに触れ、公園や学校では当たり前のようにラグビーボールを追いかける。ニュージーランドでは、ラグビーはなくてはならないものです。
その中でも、代表チームのオールブラックスは国民の憧れであり、スター集団です。
そのニュージーランドの厳しい競争を勝ち抜き、代表のオールブラックスに選ばれ、ジャージに袖を通す時には涙を流す選手が多いそうです。
つまり、幼いころからラグビーに慣れ親しんだだけではなく、その中で熾烈な競争を勝ち抜いたエリート中のエリートがオールブラックスなのです。
また、「ハカ」で有名な先住民マオリという文化もオールブラックスには欠かせません。
この「ハカ」はまさに命懸けで戦う、威嚇の儀式。これもオールブラックス選手自信を鼓舞するにはもってこいなのかもしれません。
南アフリカのラグビーとは
南アフリカにとって、ラグビーはスポーツ以上の意味合いをもつものでした。
南アフリカは、様々な人種が住む国で差別も例外なくありました。
南アフリカ代表は「スプリングボックス」というチーム名で、1994年に初めて全人種による民主選挙が行われて以降、スプリングボックスも「虹の国」として多様な人種・民族で代表チームが構成されるようになりました。
そして、1995年のW杯で初出場・初優勝と言う偉業を成し遂げ、国として全人種をまとめる過程に大きな役割を果たしました。
南アフリカでは、人種解放を担う象徴として代表チームがあるといっても過言ではなく、国の誇りでもあるのです。
ですので、ニュージーランドと同様にスプリングボックスに対し、憧れと尊敬の念を国民全員が抱き、少年は代表入りを夢見ると同時に、親にとっても子の代表入りは最高の栄誉なのです。
また、様々な人種が生活するという事は、遺伝子的にも優れた子供ができやすい環境にあります。
屈強なフィジカルを持つ南アフリカ代表の身体は、こういったところにも起因しているのかもしれません。
ニュージーランドのスタイル
ニュージーランドは、1人1人の戦略理解に長けたチームです。
もちろん、身体的なポテンシャルもさることながら、ラグビーと言うスポーツへの理解が他国より抜きん出ています。
それはニュージーランドと言う国が、幼いころからラグビーに触れているという事に起因します。
楕円形のボールを追いかけると、不規則にバウンドするものですが常に正しい対応が出来るのが、ニュージーランドの武器です。
いかにミスをせずに陣取りして優位にゲームを進めるか、その時々の判断力が優れ、統率・共有が出来るチームで、「ONE FOR ALL ALL FOR ONE」を完遂できる最強のチームです。
南アフリカのスタイル
南アフリカは、日本のメディアでも「最強フィジカル軍団」と紹介される事が多いように、フィジカルの強さが持ち味で、スピード&フィジカルで相手のディフェンスラインを突破します。
ディフェンスにおいても、その屈強なフィジカルで相手の攻撃を寄せ付けません。
つまり、個のポテンシャルの高さが南アフリカの強みで、特にウイング迄ボールが回った時のスピードは伝統的なものがあり、野性的な嗅覚で相手ディフェンスを置き去りにします。
まさに、「最強フィジカル軍団」という言葉がピッタリのチームです。