スポーツ ラグビー

ラグビーの競技環境②

2019年9月22日

前回の記事では日本代表に見るラグビー人気と、日本ラグビー界の競技水準の問題点など、日本ラグビーのトップレベルを中心に投稿しました。

今回は前回で少し触れたラグビーの若年層などからラグビーの普及や競技環境・競技水準等を考え、競技環境を大枠として特に若年層について考えたいと思います。

これまで野球・バスケットボール・ハンドボール・そしてラグビーなど様々なスポーツを見てきた中で、学校またはスポーツ毎で指導者面を含め整備が充分でないことや待遇に大きな差があるように感じますので、その差を見てみたいと思います。

目次

現状と問題点

中学校の部活動にラグビー部がない

    →興味があっても、他のスポーツへ流れてしまう

学校毎での格差が大きい

    →強豪校へ選手が集中→控え選手が多い→試合経験が減る

同地区に複数のチームがないため試合が組めずに経験不足となる

野球・サッカーなどの人気スポーツに競技者が流れ、マイナー意識のあるスポーツには...

サッカー人気により競技場の確保が困難

部活動、ラグビースクール

 高等部

東京の高校では1991年に134校が2000年には44校までに減少

合同チームを容認し60チーム程まで回復

全国では1991年の1490校をピークに、2012年では801校

部員数は5万人から3万人以下に減少

 中等部

ラグビースクールが主流となっている→週休二日制、部活動よりレベルが高い

スクール人口も増加傾向、平日は他の運動部に入り身体を動かし休日にスクールへ

→試合日がかぶることが多い→保護者、指導者間でのトラブル

部活が盛んになることが、受け皿問題の解消に繋がるがスクールの発展が妨げ

文部科学省委託事業「2019年ラグビーワールドカップ普及啓発事業」

平日の放課後もラグビーが出来る環境を整備し、中学生等の競技者の拡大を図る

→日本ラグビー協会も中学生の受け皿問題を意識

中等部ラグビー部のモデルケース

ラグビー経験者の体育教師が授業にラグビーを取り入れ種まきをする

学校が荒れていて生徒指導や生徒の拘束の為という理由で設立を認可

1人からの同好会スタート 2年で部として活動をはじめ継続している

他の部活を辞めた子が入る→受け皿として機能

ラグビーは高校との繋がりが強く強豪チームでなくても大半が進学後も続ける

「スポーツ振興法」から「スポーツ基本法」へ

スポーツ振興法は1961年に制定され、2011年7月スポーツ基本法が制定されるまで続く

 スポーツ振興法

制定3年後の東京五輪に控え、敗戦意識脱却の使命をスポーツが担う

体育館などの施設を大会など国民の要望に応え建てていくこと

バブル崩壊後は多くの実業団の廃部、スポーツに対するニーズが「健康意識」へ

 →生涯スポーツの重要性から、「勝つこと」「建てること」にギャップを感じる

コミュニティ形成や健康の保持・促進へシフトし総合スポーツクラブを設立

 →学校や企業依存の活動基盤から、地域住民主体の活動基盤への構造改革

 スポーツ基本法

「スポーツをする権利」が日本で初めて明文化された法律

障害者スポーツへ向けた配慮や男女平等

スポーツ推進のための基礎的条件の整備等

多様なスポーツ機会の確保のための環境整備や競技水準の向上等

旧法にはなかった、営利を目的としたプロスポーツに言及

1961年から2011年の50年間でスポーツを取り巻く環境は大きく変化しました。基本法では、プロスポーツに関する事項など時代に即した内容になっていますが、スポーツ促進という大きな取り組みからは、どの程度の影響力があり、日本ラグビーにとって良い方向へ進むもので有るのかは現段階では分かりません。

まとめ

ニュージーランドと競技人口がほぼ変わらないのになぜ大きなレベルの開きがあるのかを明らかにすることが、日本ラグビー界のファーストミッション。

ラグビーだけではなくスポーツ全体の学生のスポーツ環境を考え、どのような競技環境が理想であるのかを追求する事が、今後の日本スポーツの発展に繋がると言えます。

最近では、野球界で岩手県等の東北勢がプロ入り後もメジャーへ挑戦するまでの、伸びしろがある選手を輩出しています。

これは、土地柄に大らかな指導方針があると言われていますが、そのあたりも研究してみても面白いのかもしれません。

参考資料

「放課後ラグビープログラム by JRFU」http://www.houkagorugby.info/

「スポーツ基本法:文部科学省」http://www.mext.go.jp/a_menu/sports/kihonhou/

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