スポーツ ラグビー

ラグビーの競技環境①

2019年9月22日

日本のラグビーは、他の野球やサッカーに比べ、子供たちに浸透していないと言えます。

しかしながら、日本は先進国の中で様々な文化活動の環境が整備されている事も事実としてあります。

では、なぜラグビーが発展していかないのかを考えていきたいと思います。

目次

学生における日本ラグビーの現状

協会運営では競技人口増加への取り組みが優先的に行われています
  • 小学生では増加傾向にあるが、中学ではチームが少なく空洞化
  • 一部では高校生から始めるスポーツとしての印象

中学部活動の減少に伴いラグビースクール(習い事)の人口は10数年間で1万人以上増加
  • 部活動でのラグビーのレベルは低下、全体の競技者も減少
  • 指導面、選手のモチベーション・実績からはスクールの方が?
格差の激しいスポーツ
  • 人口格差、控え選手の増加が経験機会損失に繋がる、合同チーム等
  • 水準格差、ミスマッチは社会的関心の低下に繋がる

強豪校が連続して花園に出場する傾向が強く、社会的関心の低下を招いている

強豪校が複数ありレベルの拮抗している地域では人気が高い (模範運営 愛媛県 常連校の多い花園で2年連続の初出場校を輩出 )

過去20年間でのラグビーのマイナー化
  • サッカー人気やバスケット人気の上昇
  • メディア報道の激減
その他問題多数
  • 怪我、指導者面、受け皿の縮小、合同チーム問題、継続性、スター選手の不在、日本の競技水準、競技と選手に対する悪印象、広告塔としての機能が薄くなってきている、

 協会運営では競技者20万人を目指した活動が行われていますが、環境作りから国際力の向上まで、様々なミッションが掲げられているが全てで曖昧な活動となっています。

2019年のW杯では、代表強化、観客・ファン作り特に学生に向けたプロモーションに着手しW杯を日本ラグビー復活のきっかけとなるようにすべきだと考えられます。

最低条件は決勝トーナメント出場

学生ラガーマンの現状(これまでの聞き込み)

  • 中学生のラガーはラグビーの試合を殆ど見ない(TV放送がないため)
  • ラグビーを始めたきっかけは親の影響、マッチョになりたい
  • 中学部活レベルでは明確な目標を持っている人が少なくモチベーションが低い
  • スクールに対して部活は劣等意識を持つ
  • 中学経験者は進学後も継続意思を持つ
  • 合同チームは練習環境や様々な面で不満を持つ選手・指導者が多い
  • 高校レベルでは日本リーグではなく海外リーグの方が関心が高い
  • ラグビーをやっているだけで不良と思われる

改善案

競技人口増加の方針が最善策ではない

  • 少子化でどの競技も競技人口の減少、現状維持すら難しい
  • 野球人気やサッカー人気に劣る競技では、競技人口よりも競技水準を底上げ
  • 少数精鋭の体制へ移行し世界水準で戦える育成システムや指導者が必要

少数精鋭のメリット

  各世代で指導者間連携が取れ徹底指導ができ各世代のトップクラスの育成に適する

  • 日本の現状として一貫した指導が出来ずに非効率である
  • 一人一人の能力開発に最適で、選手のモチベーションや役割意識を持たせる
  • 全体のレベルが高くなることで見るスポーツとして評価が高まり観客増加

少数精鋭のデメリット

  •    選手の厳選する事で選手の可能性を潰してしまう恐れがある
  •    底辺の拡大はしない、選手層の薄さに繋がる

小中世代で継続意思を持つラガーが多いので、中学での受け皿を持つことで、ある程度の人口減少を阻止することが出来る 

現在の競技人口12万人はNZと同じ→少数とはいえないのかも?

まずはユース制度の見直しからはじめ、各世代のトップレベル育成の組織を体系化し各世代で水準を底上げし、世界での経験値を上げ劣等意識を打開しなければならない

  • 日本ではユース世代の育成・水準が強国に比べ低い
  • トップリーグがユースチームを持つことが有効

ターゲットエイジの育成・強化

   2019年のW杯の場合は、中心となる世代の集中強化を進めていたのか?

スター選手の重要性

  • 大畑大介以来、知名度やメディア露出のある選手がいなくなった
  • スター選手のいるスポーツは自然に人気と知名度が上がり続ける
  • 野球が日本のトップスポーツである要因はスター選手の存在が大きい
  • スター選手の存在が社会的関心を生みメディア露出を増加させる
  • ラグビーも意図的にスター選手を生みだしメディアへアプローチすべき
  • 容姿の優れた選手を公の場へ

まさに、前回大会では五郎丸歩選手がその役割を担っていて、ラグビーに関する認知度や関心も高まった実績もあります。

2019年は、田村や松島などスター候補も揃っていますので、積極的な運営の仕掛けが必要です。

W杯成功へは黒字経営をしなくてはならない

200万人~300万人の観客動員が必要(1試合平均4.3万人)

協会運営としては、無駄や現実味のない目標があることは否めないが、若年層の強化など良い流れにあると感じます。

しかし、若年層に力を入れ始める時期が遅くW杯にまでの運営としての経験値の低さも課題だと感じることが出来ます。

今後の強化体制の改善に加えメディアへのアプローチが非常に重要なものになります。

まとめ

日本ラグビー全体の競技力向上には、まだまだ改善すべき問題が山積みで、W杯を終えた後の数年は重要な時期であり、思い切った改革を推し進める必要があります。

日本のトップスポーツ特にサッカーからは見習うべき点が多くあり、ラグビー向上のヒントも国内外のスポーツ事情から拾い上げるべきだといえます。

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