五郎丸と言えば、2015年のラグビーワールドカップで一躍スター選手となったラグビー選手です。
しかし、なぜ2019年の今大会に日本代表として選出されていないのかまとめてみました。
目次
五郎丸歩選手とは?
五郎丸というのは苗字で、名前だと勘違いされている方が多いようです。
年齢は33歳で、機動力を必要とするバックスではベテランの域に達しています。
キックに定評があり、トップリーグではベストキッカーに2度選出されるなどキック力が五郎丸の大きな武器です。
また、強いフィジカルとリーダーシップでキックだけではなく高いレベルのユーティリティプレーヤーでもあります。
特に2015年のW杯以降は、プレースキックを蹴る前のルーティンの「五郎丸ポーズ」が話題となり、2015年の新語・流行語大賞にもノミネートされ流行語トップテンに選出され、「五郎丸」として2015年度ネット流行語大賞金賞(第1位)を受賞しました。
立川理道選手とは?
立川は天理高校時代に、第2回ラグビージュニア世界選手権に出場。
天理大学では3年生のとき、天理大学は35年振りに関西大学ラグビーフットボールリーグを制覇。そして翌2011年度シーズンは、自身が主将となり、関西リーグ連覇を達成。
2011年は強豪ぞろいの関東勢を退け、決勝戦でも帝京大学を終盤まで苦しめるが惜敗。関西勢がここまで躍進する事は稀であったため、立川の評価は一気に高まりトップリーグに進むとすぐに日本代表入り。更には、常に主将を務める等、強いリーダーシップを兼ね備えています。
日本代表の不動のセンターとしてキャップを重ねる。
山田章仁選手とは?
山田章仁は、高校時代からU日本代表として選出されてきたエリートラガーマンです。
受賞歴を見て頂いても分かるように、トップリーグに加入後も突出した成績を残し、記録も多数保有しています。
ポジションはウイングとフルバックで、50m走5.9秒の俊足と強靭なフィジカルと多彩なステップで、山田にボールが回るとスタンドが沸くとと言われるほどです。
エディー・ジョーンズからジェイミー・ジョセフへ
日本代表のヘッドコーチ(監督)が前回から変更になった点で、大きな戦略の違いが出てきました。
前HCのエディーは、ボールの保持率を重視し、相手によって戦術を変える組織的なチームに。
現HCのジョセフは、ボールの保持率は重視せず、バリエーションのあるキックを多用しアンストラクチャーの状態を作り出し個の力にサポートが入る先進的な、世界基準のスタイル。
以下に書き出すと。
といったところが、特徴です。
ですので、その戦略に見合った戦力・選手が招集を受けて日本代表となっています。
なぜ2019年は代表入りしていない?
五郎丸歩選手
五郎丸選手は、前回大会の中心選手で重要なキックを任されていた選手ですが、代表入りはしていません。
しかも、今回はキックを重要視するチームになったにもかかわらず。
その、大きな理由の一つは、本人の意向による影響も一つの理由として挙げられます。
前回大会で代表引退を示唆していたとされています。
また、今回のチーム方針ではキックを重要視していますが、そのキックに対応できる走力や、複数のポジションをこなせる選手を代表入りさせる方針と、五郎丸選手がマッチしなかったとのことです。年齢的にも33歳なので特に体を酷使するラグビーで、更に瞬発力を必要とするバックスですので、経験やリーダーシップは抜群ですが、身体のピークは過ぎているとの見方が大きいようです。
- 本人の代表引退の意向
- 複数のポジションを求められている(五郎丸選手はFB専門)
- スピード・瞬発力重視の選考基準
と言ったところで、チームの構想やHCの基準を満たしていなかったことが今回代表入りしていない理由です。
立川理道選手
立川理道選手は、大学卒業後すぐに代表入りし代表でもキャプテン経験のある中心プレーヤーです。
前エディーHCの元では、リーチと共に一番頼りになると評されたほどのプレイヤーです。
そんな立川選手は29歳で脂の乗りきる中での落選理由は、五郎丸選手と同様にジョセフHCの選考基準に満たなかった事です。
立川選手は、主に10番(スタンドオフ)としてプレーしていますが、ジョセフHCは立川選手を12番(インサイドセンター)として見ており、そこではフィジカルやキーエリアが不足しているとの見解だったようです。
苦渋の選択だったとHCは言いますが、立川も複数のポジションとチームの相対的なバランスを重視する方針により落選になりました。
- フィジカルやキーエリアが不足
- 複数のポジションを求められている
- 若手選手の台頭
山田章仁選手
山田選手も上2名と同様、前回大会の功労者です。
また、大舞台に強いという強みを持っているのにも関わらずです。
これは、記者から多く質問をHCが受けたように様々な理由があります。
まず、山田が怪我をしている間に、他の代表候補が良い結果を出し続けたとのHCの返答がありました。
また、「Xファクター(特殊能力)」が今回代表入りしているメンバーにはあり、山田選手は個人の力で打開するタイプではないと指摘されています。
キックによる空中戦についても、孤立した際耐えれるだけの大きい選手も必要だったことから、スリムな山田選手よりも基準にあった選手がいたようです。
- 若手の台頭
- 個の能力だけで打開できる必要のあるポジション
- 空中戦に耐えれるサイズがない
まとめ
上記の3名が今大会見れないのは、非常に残念です。
個人的にも面識がある選手ですので…
ですが、一つ一つ紐解いていくと、納得できる事は多かったように思います。
しかしながら、選考基準がシステマチックすぎるようにも感じます。
経験を持つ選手が必要な場面は多いと感じます。ラグビーはメンタリティーが影響しやすいスポーツですので。
しかしながら、これだけの選手を抑えて代表になっている現日本代表。
今大会は、自国開催と言う大きなアドバンテージがありますので、そのあたりも含めて楽しみな大会です。