仮想通貨は非常にボラティリティが高く、短期間で相場が大きく変動する市場です。
まだ、不安定な市場だからこそ多くの人の心理によって動く市場といえるでしょう。
良い要因があれば上がり続け、悪い要因があれば下がり続ける市場ですので、分かりやすいと言ったら分かりやすい市場ともいえます。
買が買いを呼べば、売りが売りを呼ぶ市場です。
そこで、仮想通貨の下落する要因が分かれば、取引するうえでも予想を立てやすいと思いますので下落する要因をまとめてみました。
目次
投機というマイナスイメージ
仮想通貨は、先述したようにボラティリティが大きい事で投機的な資金流入が多いと批判されることもあります。
投資ではなく投機といわれると、健全ではないと言われることが多い事から、仮想通貨の印象もギャンブルという所に落ち着いてしまう訳です。
これもまた、下落を招く印象となるのですが、投機は必ずしも悪いものではありません。
投機というのは、短期売買によって利益を得る事です。
例えば、デイトレはどうでしょう。完全に短期の売買で成立するものですが悪評にはなりません。
なぜ、仮想通貨の投機については批判があつまるのかというと、著名人の批判から派生していくのだと考えられます。
今や、仮想通貨投資ファンドと提携しているモルガンも、当初は仮想通貨に対して批判的な意見を発信しており、相場も下がった経緯があります。
JPモルガンのCEOの批判は仮想通貨に既得権益を奪われることがありうると考えていましたが、手を結ぶ方向性に固まったといえます。
有識者の発言によって相場が乱高下するのも、仮想通貨の強みであり脆弱な点です。
国単位での規制
仮想通貨大国といえば、中国があげられます。
実際に2016年までは、仮想通貨取引量の90%を中国が占めていました。しかし、規制に次ぐ規制。2017年は世界5位。そして日本は1位となっています。
中国と言えば、2017年も取引所の閉鎖があり仮想通貨市場を下落させました。(中国当局が資本流出を防ぐ目的)
中国の動きにチャートが上下運動することは確かです。中国に関わらず、取引高のある国の動きにチャートも影響します。
その国内での取引高だけではなく、規制という情報を知った他国にまで絶大な影響を与える事が言えます。
日本でも、金融庁の交換登録業者の登録までこぎつく事が出来ずに、5社ほど撤退しています。
確認していくと、国内だけでも下げの要素になる事柄がゴロゴロしています。
国際規模での規制でチャートは暴落する
国単位での規制で下落するのであれば、国際単位では暴落します。
2018年3月のG20国際会議で仮想通貨が議題に上がりました。
その際の内容は、主に規制を巡る共同提案について話し合われると思われていましたが、結果としては仮想通貨市場は、金融安定理事会が「現時点では、仮想通貨は世界的な金融の安全性を脅かす存在ではない」という事で、まだ議題に上がるほどの市場規模になっていないと難を逃れました。
しかし、G20の議題に仮想通貨が上がるということで、しかも規制に次ぐ規制を各国が進める中でのG20。開催までにチャートは下落を辿っていました。
まだ、世界的に仮想通貨のルールが整備されていないので、今後も規制や禁止を繰り返し、その度にチャートは下落します。
しかし、こうした事を繰り返して市場は成熟していく事は確かです。
犯罪の温床となってしまう危険性
世界的に見て仮想通貨は、犯罪の温床になる危険性もあることは否めません。
それまではあまり知られていなく、投資としても知られていない分、警戒心を持つ人が大半だったと思います。
それがこの1年でこの盛り上がりと、ほとんどの人が利益を上げている訳です。何より身近で仮想通貨に投資している人も多くなりました。
このことが、警戒心をかなり緩めてしまうことになります。
もちろん仮想通貨自体には非はありませんが、この世相を利用し犯罪という形で金儲けする人が出てきます。
まだまだ、有名になっただけで内容の理解や知識が社会全体として追いついていないのも実情としてあると思います。
そんな所へ、ブロックチェーンがどうとかと小難しい事を言って投資を勧めたり、言葉巧みにお金を出させるように誘発する人が世界中で出没している事も事実としてあります。
ICOを含め、仮想通貨はまだまだ知識が広まっていない為に詐欺の温床になりやすい環境です。
取引所のハッキングの被害
これはMt.Goxで有名です。これが何より仮想通貨のイメージをネガティブなものにした一因です。
ですが、ハッキング被害はそれだけにとどまりません。2016年と2017年にも大規模なハッキング被害にあい、破産した取引所もあります。
被害額が何十億、何百億と仮想通貨がもはや価値の高いものであることから狙われています。
2018年は、日本国内でもコインチェックとザイフがハッキング被害にあっています。
特に、コインチェックはハッキング被害では過去最高額。
資産をコインチェックに置いている人も多く、当事者になった人も多いのではないでしょうか。
ハッキングが起こると、仮想通貨を持っている不安感から、法定通貨に資産を逃がす人が多くなりますので、チャートはもちろん下落します。
ハッキングの対象となった通貨も、マネーロンダリングによる資金の流れにより大きく下落します。
マネーロンダリング
ハッキングに関連しますが、国単位で規制・禁止を行う国も多くなっています。
その1番の理由マネーロンダリングです。
犯罪により得た資金を洗浄されます(マネーロンダリング)。そして、ビットコインはその匿名性を生かし闇社会やテロ組織等が利用する。
つまり反社会勢力の資金調達・流入を助長してしまう恐れがあります。国単位でののサイバー攻撃もあります。(北朝鮮は過去に2ヶ所以上の韓国取引所にハッキングを仕掛け、約
危惧される不透明な事柄・リスクがあるのであれば、国としては規制をせざるを得ないのです。
マネーロンダリングがされる危険性がある為に、国だけでなく、国際単位で規制があり、伴ってチャートも下落します。
仮想通貨の税金
2017年12月1日に国税庁から仮想通貨に関する税金の見解が出ました。雑所得という。
至って真っ当な見解だと思いますが、税率が低くなると思っていた人にとっては残念な決定でしょう。
利益にもよりますが、かなりの利益が出ていた人は半分ほど税金に持っていかれてしまいます。これは仮想通貨で大きな利益が出ている人は利確しないのがほとんどでしょう。
例えば、1000万円つぎ込んで1000万円の利益が出ても、その半分の500万円が税金でもっていかれます。
リスクを犯しても、旨味が少ないように感じます。
さらに言えば、追加で購入する事には問題ないのですが、仮想通貨を売却せずに眠らせる人も多くなるのではないでしょうか。
つまり、流動性が落ちますのでチャート的にはよろしくありません。
まとめ
下落要因について羅列しましたが、細かく見ればまだまだ多い事がいえます。
しかし、仮想通貨(ブロックチェーン技術)が将来的になくなる事は無いと思います。
実用化に至るまでに、様々な問題がある事は言えますがそれも時間の問題。
リップルのように先陣を切って実用化されていくものだと思います。
まだ仮想通貨は黎明期。実用化されても問題は新たに出てくるかと思います。
その問題の度に、チャートは落ち込むと思いますが、また高騰します。
そういったことを繰り返しながら成熟していく市場だと思いますので、下落トレンドでも仮想通貨自体は進歩しています。