エアコンの移設をしてみました。
業者に頼むと、1台当たり10000円~15000円程が相場のようですが、部材交換やガス補充、追加工事などのオプションがあると20000円~30000円程かかることもあるそうです。
目次
DIYで移設するメリット・デメリット
業者に頼まないことでのメリットは…
- 費用が抑えられる
- 自分のタイミングで出来る
- 他人を家に上げないで済む
DIYで行うデメリットは…
- 失敗で本体が使えなくなる恐れがある
- 途中で断念しても、引き受けてくれる業者が少ない
- 工事後の保証がない
必要な工具
取り外しに必要な工具は…
- ドライバー
- モンキー
- 六角レンチ
- ニッパー
取り付けに必要な工具は…
- ドライバー
- モンキー
- 六角レンチ
- ニッパー
- カッター
以上は最低限必要な道具です。
フレア加工が必要であれば…(配管接続)
- パイプカッター
- フレアツール
移設までの流れ
取り外しの流れ
- 冷房運転(強制冷房)
- 室外機のカバーを外し、配管・配線の取り外し準備
- ポンプダウン作業
- 本体電源・コンセントを抜く
- 配管・配線を抜く
- 銅管に水・ほこりが入らない様にビニールテープなどで養生する
- 室内機を背板から外す
取り付けの流れ
- 養生や配管穴の準備
- 設置場所に据付板(背板)の設置
- 配管のフレア加工・接続(必要な場合。フレアになっている配管もあり)
- 室内機の設置
- 室外機の配管取り付け
- 真空引き
- 配線取り付け
- 配管穴をパテ埋め
取り外し方法
エアコンの取り外しの最初の作業は、ポンプダウンと呼ばれる作業です。
ポンプダウンとは、室内機及び配管から室外機へガスを封じ込める作業の事です。
行う手順としては、
強制冷房→室外機の送りのバルブを閉じる→約2分後に室外機の受けバルブを閉じる
という作業がポンプダウン作業です。
このポンプダウンが完了したら、エアコンのコンセントを抜き配管をまとめて撤去するだけなので、エアコンの取り外しは初心者でも易しい作業ではないでしょうか。
ポンプダウン作業を詳しく
ポンプダウン作業について、上記ではざっくり説明しましたが、少し詳しく説明すると。
まず強制冷房ついて、各メーカーごとにエアコンの室内機に強制冷房(応急冷房)のボタンがあることが最近では多くなっています。そこをガイド通りに長押しなどをして強制冷房を行いポンプダウン作業をすればよいのですが、夏場(冷房MAX運転の設定温度より、室内気温が高ければOK)は通常の冷房運転でもポンプダウン作業が出来ます。
強制冷房は5分ほどが目安でしょうか。
強制冷房をスタートさせた時に、室外機が回っているのかを事を確認してください。
室外機が回っている事が確認出来たら、室外機から配管を外す作業となります。
室外機の側面に、カバーがありますのでドライバーで外します。
カバーを外したら、配管の先端にキャップがついていますので、それぞれモンキースパナで外します。
外した2つバルブは、それぞれ冷媒配管に繋がっており細い方が送り側の配管で太い方が受け側の配管ですので、細い配管(冷媒送り側)のバルブを時計回りで閉めます。
室外機からでる冷媒をストップさせることにより、通常では室内外機間を循環している冷媒は室外機へ戻ってくるのみとなりますので、室外機に冷媒が溜まっていくことになります。
すぐに溜まるわけではないので、2分を目安に強制冷房は続けます。
2分後には、配管・室内機に残る冷媒はすべて室外機へと送られているので、次は太い配管(冷媒受け側)のバルブを時計回りで閉めます。
そうすることにより、冷媒はすべて室外機へと閉じ込められます。
この作業のことをポンプダウンというのです。
※作業中にオイルなどが配管から出るのであれば、作業を続けず中断してゴーアラウンド(もう一度やり直し)してください。
ポンプダウン後は
エアコンは、このポンプダウンが出来れば取り外しができますので簡単といえば簡単です。
ポンプダウン作業が終了したら、まずは室内機の電源を切ります。電源が切れたことを確認し完全に停止したらコンセントを抜きます。
その後、最初に外していたキャップを元に戻します。キャップはしっかりと付けないとガス漏れの原因いなりますので、忘れない様に注意が必要です。
それから、室外機の配管と配線を外しますが、配管は外したらすぐにビニールテープでホコリや水が入らない様に養生します。
配管の中は、ホコリ・水は大敵ですので。
配線は引っ張ると抜けます。
これで、室外機の取り外しは完了です。
室内機は、殆どの場合は引っかかっているだけですので、持ち上げて外しますが、予め配管・配線・ドレーンが抜けるように壁穴のパテなどを外しておくと良いでしょう。
以上が、エアコンの取り外しとなります。
注意点は多くありますが、特にポンプダウンには細心の注意を払う必要があります。
その他、配管をそのまま使う場合は銅管ですので、折れない様に注意する事と、背板も忘れずに取り外すなどです。
取り付け方法
取り付けに関しては、まずは設置場所に指定電圧のコンセントがあるか(コンセントのボルト数が合わない事や、コンセント増設には資格が必要です)、配管の穴があるか、また室外機の設置場所は確保できるか等が、DIYでの移設前提条件になります。
上記の条件がクリアなら、移設可能です。
まずは、設置場所に背板を取付けます。(背板の取り外しの際にビスもしっかり保管しておきましょう)場合によっては、既にエアコン取付場所として背板用のボルトがある場合もあります。
背板を取り付けたなら、壁穴から配管を出しつつ室内機を設置していきます。
ここで、配管の長さに変更があるのであれば、配管を加工しなければなりません。
長さが長すぎたり、短いとかえって銅管ですので亀裂ができてガス漏れに繋がるので大着はしない事がおススメです。
配管の加工は、フレア加工と言いますがフレア加工は後で説明しますので、配管・配線の接続の説明をします。
取り付けも、取り外し同様にモンキーペンチを使いボルトを閉めていきます。
送り側の配管が上で、受け側の配管が下になりますので、細い管を上に、太い管を下に取り付けます。
取り付けたなら、次のステップ真空引きです。
真空引きとは、エアコンの中の冷媒が空気とが混ざらない様にするための作業です。
エアコンというのは、冷媒に圧力をかけることにより液体や気体に変化させ、熱を放ったり、もらったりしますので、その際に生まれる熱を利用しています。
その熱を効率よく発生できるのが、フロンと呼ばれるものです。新しいエアコンはフロンが利用されず、代替えフロンや新冷媒ガスが使用されています。
このフロンガスは、小学校でも習うと思いますが大気汚染・オゾン層破壊の原因にもなる気体ですが、エアコンの中には、この冷媒と呼ばれるフロンが循環しているのです。
もし配管に、空気が入ってしまうと冷媒の能力が落ちたり、故障の原因になってしまうので真空引きを行うのです。
エアパージ
真空引きには真空ポンプという道具が必要となります。
普通は持っていませんね。
ですので、今回は真空ポンプなしで配管内の空気を追い出す事にします。
エアパージとは、室外機のガスを放出して空気を追い出す作業ですが、これが非常に簡単で、一昔前までは普通に業者も行っていた作業です。
しかしながら、配管内に空気が残ったり、冷媒ガスが減ってしまったりと故障の原因になるリスクもあります。(ほんのわずかな確率だと思いますが)
特に、昔の古いエアコンではフロンガスが使用されていますので、これを排出する事は法的にNGですので、新しいエアコンに限りエアパージ可能です。
方法は、配管をすべて接続したら細い管(送り側)のバルブを六角で空けます。
その後、太い管(受け側)のサービスバルブのキャップを外し、ドライバーや六角レンチで押し込み2秒ほど空気を押し出します。(この時プシューと音がしますので、空気が出ていくのが分かります)
その後に、太い管(受け側)のバルブを開けばエアパージ完了です。
真空ポンプでの作業20分ほどに対し、こちらは1~2分の作業です。
しかし、故障リスクがないとは言えませんの、自己責任でお願いします。
その後に、配線を元通りに繋ぎなおしたら取付完了です。
一度試運転を行い、正常に動けばOKです。
フレア加工について
説明の中で後回しにしましたが、このフレア加工が1番技術のいる作業だと私は思います。
フレアというのは、広がるような形という意味で、フレア加工は銅管を広がる形(ラッパのような)に加工する事を言います。
上記の写真のような形にするのですが、これは銅管の長さが合わない時に行う作業で、パイプカッターとフレアツールという工具が必要です。
まず、良い長さで銅管をパイプカッターで切断します。
その後に、フレアツールを使用して切断面を広げるのです。
上の写真のように、銅管を挟み込んで頭から押し込めば、ラッパ状に銅管が広がってくれます。
それを、モンキーペンチを使用して銅管同士をボルトで閉めれば、完了ですが力加減も強すぎず弱すぎずの塩梅で接続します。
余りに力強く回すと、銅管ですので裂けてしまう恐れがありますので。
やってみると簡単な作業ですが、上手くできないとガス漏れの原因となり、エアコンそのものの故障の原因となりかねないので、よく調べて行う事がベターな作業です。
パテ埋め
最後の作業として、パテで穴を埋める作業があります。
説明も何も不要かと思いますが、ここには配管を包む断熱材があれば、断熱効果とパテの節約にもなりますで、下の写真のように断熱材を埋めるのがおススメです。