昨年からスポーツ界でも不祥事が続き、各界でも例外なく問題が噴出しています。
今回は、問題という訳ではありませんが横綱の引き際についてメディアでも多く議論されていますので、少し調べました。
目次
横綱の引退は自己裁量
結果から言いますと、横綱を引退するのは横綱自身が決定します。
メディアでよく、横綱審議委員会の決議で引退するようなニュアンスで言っていますが、横綱審議委員会はあくまで諮問機関。つまり、相撲協会や関取に対して意見を言う組織であり、分かりやすく言えば「ご意見番」。
もちろん、横綱審議委員会の影響も大きい事は間違いありませんが。
特に、横綱審議委員会から不振が続く横綱に対して「激励」「注意」「引退勧告」等、段階に分けて進言する事も出来ますので、ある程度これも基準となっています。
しかし、大関に降格がない横綱は、各界の現役トップとして「横綱」の名前にふさわしい引き際を考慮し、自身の判断で進退を決定します。
横綱審議委員会とは
横綱審議委員会は、横審と略称で呼ばれることが多いです。
横綱審議委員会というだけあって、引退した横綱で構成されているのかと思いきや、構成員は企業の社長やジャーナリストで、関取ですらありません。
相撲に造詣が深い有識者が横綱審議委員会の委員となるのです。
先にも書きましたが、横綱審議委員会は諮問機関。
日本相撲協会の組織に誤認されますが、全くの外部機関です。
外部の人間に意見を聞くという事は、それだけ重みがあり、社会的に影響力が強い地位だからこその事です。
伴って新聞社等のメディア関係者や、ジャーナリスト・学者が委員になる事が多いのです。
横綱昇進には品格・力量ともに厳しい審査がありますが、ここで審議されるわけです。
まとめ
稀勢の里が2019年の初場所で3連敗を喫し、翌日に引退を発表しました。
稀勢の里は日本人力士で19年ぶりの横綱ですから、最後まで頑張ってもらいたかったですが、連続休場で、さすがに精神的な重圧に体が委縮していたように見えます。
弱くなれば王座から落ちるのではなく、辞めなければいけない。それほど横綱の権威は重いという事でしょう。。
因みに、横綱の負け越しなんて、あまり聞いたことはないですが、戦後だけで見ても4例あります。
確かに、不名誉な記録として残ってしまうのは怖さはあることも間違いないですが、最後の最後まで取り続ける姿も見たかったという気持ちです。
横審だけが持ち合わせている、横綱のイメージだけではないと私は考えます。
人それぞれに、横綱のイメージがあります。
勝ち続けることが横綱の使命ではあると思いますが、場所を盛り上げるのも横綱。
特に、日本人で久しぶりの横綱です。
重圧が凄いと、言われますがメディアや周りの意見にも負けず、泥だらけになりながら頑張るトップの姿にも、ある種の美徳を感じそうです。