一流のスポーツ選手は競技能力だけではなく、人間性が優れていたり地頭も良い人が多くいます。
特に規律を重んじるラグビー選手は、人間性の優れた人が多い競技ではないでしょうか?
それは、ラグビーという競技の文化に要因があります。
目次
ラグビー憲章
まずは、ラグビー憲章より
ラグビーの魅力の多くは、ラグビーが競技規則に記された文言に従うとともに、競技規則の精神の中でプレーされているという事実にある。これが確実に起こるようにする責任は一個人に帰するものではなく、コーチ、キャプテン、プレーヤー、そして、レフリーも含まれるものである。
ワールドラグビーユニオン『ラグビー憲章』
ゲームの精神は、規律、自制、相互の信頼を通してこそ繁栄するものであり、ラグビーのような身体的に激しいゲームの中においては、これらの資質がゲームの継続的な成功と生き残りに極めて不可欠な、友情とフェアプレーの感覚を築くのである。
それらは時代遅れの伝統と美徳かもしれないが、時代を超えて不変であり、ゲームがプレーされるすべてのレベルにおいて、その由緒ある過去の中で重要だったように、ラグビーの将来においてもずっと重要なものであり続ける。ラグビーの原則は、ゲームが基礎を置く基本要素であり、参加する者はこの原則によって、ラグビーの特性や他のスポーツとの違いをすぐに見い出すことができるのある。
ラグビーはアマチュアリズム(非商売)を大事にしてきた文化があり、高貴・高尚な精神を貫くことを主眼にしてきた側面を持つので、上記の「時代遅れの伝統と美徳」という文言が使われます。
しかし、これこそラグビーが良い男を生み出す根源でもあるのです。
ラグビー精神
ラグビー精神の大きなメンタリティを以下に書き出すと
- ファイティングスピリット
- リスペクト精神
- ノーサイド
- ワンフォーオール オールフォーワン
まずは、ファイティングスピリットは他の競技でもいえる事なので割愛しますが…
リスペクト精神。これは相手やコーチ・スタッフ全てに対し向けられるもので、相手がいないと試合が成立しないという事。パフォーマンスを発揮する為に、周りが助力してくれた事を常に心に置いているのです。
ノーサイド。これは、最近日本代表がメディアで良く取り上げられるの説明を目にしますが、試合終了の笛が鳴れば、どんな荒れた険悪な試合でも敵味方関係なく全ての選手・レフェリー・スタッフがフラットな尊重し合う関係になるという事。激しいスポーツですので、この精神は何よりも大切です。特に、ラグビーは紳士のスポーツですので。
ワンフォーオール オールフォーワン。これは、言葉通り1人はみんなのために、みんなは一人の為にという意味で、試合だけに関わらず、ワンチームあらゆる場面でもこの精神が宿ります。
ラグビー選手は、審判に判定に異議を唱えない。不平不満をこぼす選手も、あからさまに態度で示す選手もいませんでした。(最近ではそうでもありませんが)
それだけ、秩序の確立された素晴らしいスポーツなのです。
これがあらゆる場面で確立されたら、国際間のいがみ合いも無くなると思うのですが…
瞬時の正しい判断
ラグビー選手は、練習はかなり過酷なメニューです。
しかし、肉体だけを鍛えれば強いチームになれるという訳ではもちろんありません。
ラグビーの試合を見ていて、ルールが複雑で何が起こったのか分からない人が多くいると思います。
それだけに、現場でプレーしている選手は体だけではなく頭や神経も使いプレーをしています。
日本代表の練習でも、筋力トレーニングの合間にクイズ形式の問題を解いて、瞬時の判断力を養うメニューを行っています。
楕円形のボールを扱うスポーツですので、常にイレギュラーな場面の繰り返しです。
そこで、どれだけ連携・統率が取れるかがチーム力に直結するのです。つまりは、個人の判断力や機転が重要になってきます。
代表クラスになると、そのあたりの瞬発的な判断力や理解力が優れています。
そのあたりがずば抜けて良いチームがニュージーランドでもあるのです。
幼いころから楕円球に慣れ親しんでいるオールブラックスの選手は、ラグビーに対する理解力が凄まじく、どのように動けばよいかという事が、本能的に分かっているのではないでしょうか?
まとめ
心と体を鍛えるラグビー。
私も友人にラガーマンが多くいましたが、厳しい規律と秩序の中で鍛えられた彼らは、信用できる人間だと感じていました。
ラグビーをすると、学業の成績が良くなるという訳ではありませんが、人間的な頭の良さを備えているような気がします。
これも、最近まで守られてきたアマチュアリズムやラグビー文化が、そうした人格形成に大きな役割を果たしているのではないでしょうか。