前章の続きの記事です。
目次
第三章 日本ラグビーの底上げと繁栄への提言
第一節 教育・リーグの在り方
他のスポーツ事情をふまえ、日本ラグビーがまず行わなければならないことは、育成のスキームをきちんと作るということにあります。
これは、ラグビーだけに当てはまる訳ではなく、他のスポーツにおいても共通して言えることでありますが、トップチームを強化するのであれば、そのトップチームへ加入していく若い世代の強化が何よりも重要であり、育成・強化という意味ではトップチームではなく、その下部組織を整備する必要があります。
つまり、若年層の育成・強化こそがトップチームの強化、日本代表の強化に直接繋がります。
そこが活性化する仕組み、注目される仕組みを構想していくことが日本ラグビー界の急務です。
若年層強化のお手本となるのが、まさにJリーグです。
一貫して若年層の強化に努めてきたことで世界へ選手を送り出せるようになり、Jリーグの継続した発展を助けています。
世界に目を向けてもウェールズ代表やアイルランド代表が組織の構造改革や強化プランを作成し、実行したことで成功に繋げました。
強化は長期的なスパンで考えるべきであり理論と実行が重要であると考えられます[ix])。
つまり、日本ラグビーに必要とされているものは、トップチームの完全なプロ化とユースチームの設立です。
海外からは日本の実業団チームの仕組みはセカンドキャリア等の面から賞賛されるものですが、日本代表が海外の強豪国と対等にマッチアップするためには、トップリーグ全体がプロ組織として機能し、若年層からトッププロまでの制度を整備しなくてはならない。
しかし、バスケットボールのようにプロチームが企業チームより劣悪な環境の中で活動しているケースがあり、企業チームがプロチームより実力が上となる事から企業チームであるほうがよい場合も否めないが、世界と戦う基準まで引き上げるためには企業チームでは限界があり、企業というロイヤリティに妨げられてしまう恐れがあります。
更に、経営の在り方としては、「チームビジネス」ではなく「リーグビジネス」であることが望ましいです。
理由に挙げられることは戦力均衡と各チーム間での連携による相乗効果です。
ラグビーはチーム力の差が、試合の点差に大きく現れるスポーツであり、50点100点差等もあり得るスポーツです。
トップリーグでの試合でワンサイドゲームになってしまってはファンの興味が殺がれてしまう、そこで戦力均衡の競り合いが必須になるです。
また、チームビジネスで自チームさえ強くあれば良いという考えは特筆して抜けたチームでしか通用しないものであり、プロ野球で言えば巨人軍のような存在であればチームビジネスがリーグ全体を支えることも可能となってくるが、スポーツに地域性が介入することにより、一極集中したファンは拡散し現在のプロスポーツ事情からはリーグビジネスの方が評価されています。
実際に成功しているNFLやMLBは各チームが共存共栄を果たしています。
トップリーグが今後、国民的スポーツへと成長するためには、リーグビジネスを展開し魅力的なマッチアップを実現させる事です。
第二節 経済効果と影響力・独立採算経営
若年層強化における組織の体系化には、時間・労力・コストが問題となってきますが、日本でのW杯の開催に伴い盛り上がりに上手く乗ずる事ができ経験や収益を確保し、ある程度の成果を挙げると共に、ラグビーチームの経済価値が認められ、環境整備が整えば、W杯以降の日本ラグビーを取り巻く環境が激変すると考えられます。
もしくは、大きな経済効果[x])が期待できるW杯をきっかけとし、得た資金を元手に環境整備を行うことも可能です。
またW杯後であれば、日本ラグビーに対しある程度の関心をもつ人が増え、今以上に小学生の競技人口は拡大されると思われます。
その子供達が他のスポーツに流れないように、現在の日本ラグビー界でも大きな問題となっている中学生年代の受け皿を作ってあげることが重要です。
中学生での競技人口の減少や競技水準の低下が問題となっている今日、W杯前の現在から取り組むべき課題でもあります。
後述で挙げた案に関しては、W杯で日本代表が魅力あるゲームをして成り立つ案であるから、どちらにせよ日本代表になると予想される年代をターゲットエイジと定め、経験を積ませ強化を進めなくてはならないです。
そこで必要となってくるのがユースチームです。
各年代で精鋭チームを編成し、中高での部活動でも受け皿も確保する。
現在はこれが出来ずにラグビーに触れる機会や認識に劣等感があることから代表チームも他国に比べ劣っています。
日本のスポーツ事情から考えると、強化に関して言えば最善の改善案ではないかと考えられます。
実際に日本ラグビーの現状から考えるとユースチームの設立と中高の受け皿問題の解消は難しいものでありますが、教育現場においても一人の教員が勤める先々でラグビー部を設立していくこともあります。
日本でラグビーが盛り上がり興味を持つ子供が増えれば、教育現場に勤めるラグビー世代である40代から60代の教員も部活動の設立に動くのではないかと考えることが出来ます。
ユースチームにおいても、プロ化し適したビジネスモデルを採用し収益を再投資できる環境を生み出すことが出来れば可能であると考えられます。
問題は協会がそれだけの思い切った方針を打ち出せるか、各チームが賛同してくれるかに懸かってくるが、W杯を起点に協会も準備段階としてある程度の動きを持ち出しています。
しかしながら、トップリーグでは参加企業数やスポンサー収入の減少に悩まされている。スポーツリーグが独立採算経営をするためには、リーグ総体経費に見合う収入がなければなりません。
リーグ総体経費とは各チームの支出とリーグ事務局の経費のことです。
プロ野球の総体経費は1200億円でJリーグの総体経費は650億円弱であり、この2大スポーツが日本のスポーツで突出しています。
一方でトップリーグの総体経費というものは70億円で野球とサッカーとの差が大きいことが見て分かります[xi])。
野球とサッカーのような規模にまで引き上げるには総体経費と収入のバランスを保ち、経営戦略と統治形態を明確にし、収入を増加させていかなければなりません。
これが出来ればリーグとして独立経営ができ各チームとしても、支援企業の経営に左右されることなく休廃部のストレスから解放されます。
プロチームの場合、興行収入がなければチームが成り立たず、有力スポンサーのないチームは経費削減のため練習場の確保などもままならず、選手の収入もプロ野球の日本代表クラスを除けば全体的に低水準です。
また、プロチーム運営会社の経営状況も全体的に厳しく、大口スポンサー撤退で破綻に追い込まれるケースもあります。
環境向上にはリーグ全体で収入を増やすのも大事であるが、協会及びスポーツ界全体、行政などのサポートも必要不可欠であることが考えられます。
第三節 トップリーグプロ化へ
プロ化する上で切り離せない問題が、運営資金と組織経営の人材と能力、スポーツ事業に関する専門知識です。
しかし、プロ化したとしてもトップリーグの場合は全て企業チームであるため問題はない。
あえて言うのであればスポーツ事業に関する専門知識がプロ化するに当たって深めていかなければならない。
プロ化における法人格
まず法人格について、プロスポーツにおいて法人格は必要不可欠なものであり、日本国内のプロチームJリーグ・プロ野球・bjリーグなど殆ど株式会社です。
これはオーナーシップが明確であり、経営責任の所在がはっきりしていることから日本では株式会社が選択されます[xii])。
しかし海外ではスペインのFCバルセロナやドイツのサッカークラブのように社団法人である事が多く、第一章末で先述した通り、「公共性」が今のスポーツ組織に必要なのではないかと考えられます。
つまりトップリーグもプロ化するのであれば社団法人として公共性の高いチームを目指す事が理想であると考えます。
リーグの法人格については、Jリーグにおいては公益社団である。
これの事業目的は地域スポーツの振興であり、構成員は各クラブとチェアマンです。
公益社団のメリットは活動成果を再投資できる事と税制上優遇されるからです。
日本ラグビー協会も公益財団法人化しトップリーグのチェアマンも日本ラグビー協会の副会長である高島正之が就任している。協会とリーグが今まで以上に密接に連動していく必要があることは間違いないです。
方向性とマネジメント
運営するためにもビジネススキルが問われ、より良いマネジメントは欠かすことは出来ません。
企業チームとクラブチームが同じリーグに所属し運営していくことは、興行収入を求めるクラブチームとそうでない企業チームでは同じリーグに所属必要もなく、企業チームからすれば新たな仕事が増え、更には経費処理の事情もある。
企業チームとプロクラブで求めるものが根本的に違っているため、各チームがベクトルを合わせる必要があり、これを担うのがリーグ運営側であり日本ラグビー協会です。
つまり、リーグを運営する側がすべきことは、プロ化に向けてチームを所有する企業の協力を得るため最大限の努力をすることです。
都市部に集中している現在のトップリーグは、プロ化をきっかけに全く行われていない全国普及を目的とし、各地域の現地企業と共同で新たにクラブを立ち上げる事も良案であると考えることが出来ます。
しかし、Jリーグが2014年度より新たにJ3まで新設し日本サッカー協会は「将来100以上のJリーグを目指すクラブが活動する」と全国普及に力を注いでいることから、トップリーグが全国普及や地域性を打ち出す際にデメリットであることは否めません。
もしくは、現在、スポーツチームの経済的価値も過去と比べはるかに上がっている。企業内運動部であるチームを独立させ、企業は支援に回ってもらうよう運営側が企業に納得してもらわなければならない。企業として地域貢献[xiii])、イメージアップなどアピールできるメリットも多く、リーグ運営側の成長戦略やビジョンが実現可能な現実性を持たせたものであり、なおかつ企業にそれだけ魅力的な構想であるかが問われる交渉でなくてはなりません。
これが現時点での最も可能性の高い案ではないのかと考えられます。
しかし、支援に回ってもらうだけでは都市部に集中していることは変わらない。地域に根ざした経営が必要とされているのでチームの移転は避けられない。移転先では新たにスポンサーやファンの獲得のためプロモーション活動や貢献活動が必要とされることも間違いありません。
支援に回ってもらうからにはチームが興行できるだけの価値と機能を持たなければならない事は言うまでもない。
つまり、トップリーグがプロ化するためには独立採算経営が出来ること、広告塔として機能しシナジー効果が得られ、地域密着でのプロモーションに着手し入場料収入があるリーグであれば、完全にプロ化へ移行することに最低限の条件は整います。
その他にもチームとの契約形態やトレードや入団など選手に直接関わる仕組みの整備も必須となります。
更には各チームがホームグラウンドを持ちホーム&アウェー制であることも重要です。
なんにせよ収益を上げることが健全な運営へと繋がるので、収益を確保するにはどの様な収益法が最適か常に時代のニーズに対応できなければならない。
アリーナビジネス
現在の不安定なリーグ経営から脱するため、これらの条件を踏まえ提案したい収益法に、スタジアム・アリーナビジネスがある。
これには集客戦略と客単価を上げる戦略が必須となってきます。
トップリーグがプロリーグとして健全に運営していくためには、試合で集客しなければならない事から、スタジアム・アリーナビジネスはプロリーグとして運営していくうえで必要条件であると言えます。
W杯に際してスタジアムの整備が進められていることに便乗し、W杯以降もスタジアムを有効活用していくことが出来るエコな要素も評価できます。
W杯開催都市のスタジアムが自治体にとって大きな財政負担となっていると言います。
2002年の日韓W杯のスタジアム、年間数億円の運営赤字と巨額の建設費の償還費用をもって、巨大スタジアムが自治体にとって負の遺産とされているが、黒字を出すことが出来ればプロスポーツにとっても大きなメリットとなります。
NFLではスタジアムの売り上げのみで年間売上高2億5000万ドルを超える売り上げを記録しています[xiv])。
イギリスのラグビー協会の本拠地であるスタジアムでは年間総収入の25%以上を占めており、スタジアムビジネスの可能性は大きいと考えられます。
プロ化するためにも集客・収益の見込む事の出来る案を提出しなければならないことから地域密着の地域貢献、ユース設立の足がかりとしても現在のトップリーグの理想としてスタジアムの存在は必要不可欠なものとなってくると予想されます。
その他にも収益を得るためのビジョンを打ち出し、プロ化への準備をしなければ世界に追いつけない事は間違いないです。
世界で闘うにはトップリーグのプロ化が必要であり、下部組織の充実と機能、これがなくては、日本ラグビーは世界の競技水準に追いつくことはなく国内でもマイナーのレッテルを貼られたままになってしまいます。
現在のトップリーグの整備を進め各企業と交渉し企業が支援に回る形でプロ化を進めることが理想であることから、この企業との交渉が何よりも重要であり企業にバックされる見返りを最大化しなければならない。
すべてはラグビーというスポーツの価値が最大限に高まらなければならないため、2019年のラグビーW杯をキッカケに早くプロ化しリーグとしてレベルの高いゲームを提供しなければならない。
それこそがラグビー日本代表を強くし日本ラグビーの人気を取り戻し、国民的スポーツとして盛り上がっていくことに繋がっていく。
まとめ
今の日本ラグビーに必要となってくることは、各年代の代表チームに海外の経験を積ませることです。
技術以上に経験や精神的な部分で結果が変わってくるスポーツであるので、代表レベルのスキルに加えゲームを数こなす事が必要となり、日本ラグビーが国際力を身につけることがW杯を闘う上で必須となってきます。
金星を挙げたウェールズ戦においても海外で活躍するSHの田中史郎選手の存在が大きかったと感じます。
南アフリカ戦においても、世界を知るメンバーが充実していました。
世界最高峰のリーグでの経験がチームを鼓舞し大きな原動力となったといえます。
更に例を挙げると、2012年度の大学選手権大会において天理大学が準優勝という快進撃を見せたが、これは現日本代表の立川理道の存在が大きく、立川が引退している2013年度の大学選手権には天理大学は出場すらも出来ないという前評判でした。
しかし、前年の経験が大きく作用し、天理大学は底力を見せ大学選手権出場に至った。
関係者はスキル・フィジカル共では他校には及ばない評価であったが、チーム力として前年の大会が価値のあるものであったといいます。
スキルも重要であるが経験値というものもラグビーには必要なものである事が、この2チームを見れば実感できます。
これは、日本人が海外チームに勝る「巧緻性」の生み出す結果であると感じられます。
緻密に正確にミスなくプレーできる精神の強さが日本代表を世界と闘う上で必須になってくることは間違いない。
また、強化を行うに伴い日本ラグビーが更に行っていかなければならない事は、まず効果的なプロモーション活動を行い日本ラグビーがW杯を迎えホットな時期になってくることを知らせることです。
周知されれば、少なくともラグビー離れしている中年層を再びファン層として迎え入れることが出来、日本ラグビーの後押しとなります。
その上で企業チーム・トップリーグのビジネスモデルを大きく転換する必要がある。
これが一番のポイントであり難点でもある。
スポーツビジネスが元気のない近年でファン層の少ないスポーツには無謀であるように思えるが、この経営問題を最適化しなければ、W杯である程度の盛り上がりを見せたとしても日本ラグビーの継続的な繁栄は望むことが出来ません。
リーグが力をもち各チームが同じ方向を向き日本のラグビーを盛り上げていけるような組織作りが急がれます。
そのうえでやはり若年層の強化を図れる組織作りがこの先、競技人口・競技水準・競技環境を改善していくのではないかと考えられます。
[ix])日本ラグビー狂会『日本ラグビー2019年への試練』双葉社 2011年 p.133
[x])2011年のニュージーランド大会では、約680億円の経済効果であったとされる。また、約110億円以上の利益予測が概算としてだされている。
[xi])間野義之『公共スポーツ施設のマネジメント』体育施設出版 2007年 p.124
[xii])武藤泰明『プロスポーツクラブのマネジメント【第2版】―戦略策定から実行まで―』東洋経済新報社 2013年 p.28
[xiii])優良企業が保有しているという現状の強みを生かし、フランチャイズ制の全国各地にチームを持ち、下部組織の保持などによる地域貢献性の増大やラグビー文化の発展が期待される。
[xiv]) 間野義之『公共スポーツ施設のマネジメント』体育施設出版 2007年 p.126
〈引用 参考資料〉
澤野雅彦『企業スポーツの栄光と挫折』青弓社 2005年
日本ラグビー狂会『日本ラグビー世界への始動』双葉社 2009年
宿沢広朗『TEST MATCH―宿沢広朗の「遺言」』講談社 2007年
ダニエル・ブティエ『ラグビー-進化する世界のプレースタイル』白水社 2007年
小林深緑朗『世界ラグビー基礎知識』ベースボールマガジン社 2003年
大友信彦『ザ・ワールドラグビー』新潮社 2003年
宿沢広朗 永田洋光『日本ラグビー復興計画』TBSブリタニカ 2002年
日本ラグビー狂会『日本ラグビー2019年への試練』双葉社 2011年
斉藤建仁『ラグビー「観戦力」が高まる』東邦出版 2013年
間野義之『公共スポーツ施設のマネジメント』体育施設出版 2007年
広瀬一郎『スポーツ・マネジメント入門』東洋経済新報社 2005年
武藤泰明『プロスポーツクラブのマネジメント【第2版】―戦略策定から実行まで―』東洋経済新報社 2013年
「なぜセレッソ大阪から日本代表が大量に輩出されるのか?―Yahoo!ニュース―」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130812-00010004-wordleafs-socc 2013/12/18
(セレッソ大阪の「育成型クラブ」への転換が代表選手輩出に繋がっていると指摘している、その他にも指導法やチーム方針について述べられている記事。)
日本ラグビーフットボール協会http://www.rugby-japan.jp/ 2013/12/18
(JRFU公式ホームページ)
「公益財団法人 日本ラグビーフットボール協会 規程」http://www.rugby-japan.jp/about/association/images/kitei.pdf 2013/12/18
「横井章の魅力あるラグビー」http://rugbycreator.blog103.fc2.com/ 2013/12/18
(元日本代表横井章氏のブログ、自称「ラグビークリエイター」として主に大学、高校のアドバイザーとしての活動を具体的なプレーなどを交え紹介している。)
「ドイツのサッカークラブ運営に学ぶ、日本のスポーツの将来-Yahoo!ブログ-」http://blogs.yahoo.co.jp/moeaka2001/24893852.html 2013/12/16
(現在の日本のスポーツ事情を指摘し、ドイツのスポーツ経営を見習う事を勧めている)
「ビジネスモデル―日本プロ野球のビジネスモデル(スポーツと経営学)」
http://www.globis.jp/2014?print=true 2013/12/18
(プロ野球のビジネスモデルを中心にスポーツを経営学の観点から考察している)
「Sports navi」
(NFLがなぜアメリカで愛されているか、W杯を超えるブランド価値を生み出すNFLの方針を取り上げている)
「Number Web」http://number.bunshun.jp/articles/-/64823 2013/12/18
(なぜセレッソ大阪が急成長を遂げたか、強化部長梶野氏に関するコラム)