予選プールA の第三戦のサモア戦を控え、サモア代表は強いのか弱いのか、よくわからない人が多いと思います。
予選プールで2連勝し、打倒スコットランドだという雰囲気がありますが、サモアも決して弱いチームではなく侮れないチームです。
何故か軽視されがちのサモア戦。少しサモア代表を紹介したいと思います。
目次
サモアはどんな国
サモアは南太平洋に位置し、7つの小島から国家です。ニュージーランド・フィジーの並びにあるところですので、日本にはあまり所縁がないかもしれません。
イギリス加盟国の一つですが、アメリカ領サモアとサモア独立国と分割されていますが、住民も文化も同じポリネシア系です。
首都はアピアで、人口は約18万人。(愛知県豊川市や青森県弘前市と同程度)
広さも、鳥取県程の国土です。
経済的には、独立採算では赤字です。ですが、国内人口よりも遥かに多い人がニュージーランドやアメリカへ移住し送金をしています。つまり出稼ぎで成り立つといった国内の経済状況です。
サモア代表は日本より格上?
サモア代表は昨日の記事でも紹介したように、世界ランキングの上では日本が格上ですが、W杯の成績や、直接対決の対戦成績を見てみてもサモアの方が日本に勝るものがあります。
- ワールドカップの最高位 ベスト8
- 対戦成績 15戦 4勝11敗
- 直近5試合 3勝2敗
- 日本のワールドカップの最高位 予選プール3位
といったように、日本よりもサモアの方がこれまで世界に近かったチームです。
ワールドカップ初出場の1991年には、ウェールズに勝利しベスト8入りするなど、個々のポテンシャルは非常に高い、民族的にも屈強な選手揃いです。
日本が格下というのも他の記事でも言っているように、日本は1990年代~2000年代にかけて20年余りの間、暗黒期と言われる時代があったのが原因です。
2010年以降の日本は、ようやく世界の競技水準に追い付いてきて成長・成熟の段階に入ってきています。
サモアのプレースタイル
試合前のウォークライ(試合前の儀式)をしても良いとされる4ヵ国のうちの一つがサモアです。
- ニュージーランド…ハカ
- トンガ…シピタウ
- サモア…シヴァタウ
- フィジー…シンビ(シビ)
サモア代表には、経験豊富な選手が多く在籍します。
サントリーやイングランドでプレーしたトゥシ・ピシや、ニュージーランド出身のナナイウィリアムズやジェイミー・ジェリー・タウランギ。No8のジャック・ラム。
なかなかの精鋭揃いで、チーム自体はスピード&パワー。今大会でも一時退場と出場停止処分を受ける選手もいるほど、荒々しいプレーも特徴です。
国自体が、大きくなく日本でいう市と同じ規模の国だけに、絆が強く愛国心も強いので、自国の誇の強さが、プレーにも出ているのでしょう。
基本的にはFW
基本的にはFWのフィジカルを活かした攻めに偏重する傾向にありますが、外が空けばBKにも展開します。しかし、前戦のスコットランド戦ではナナイウィリアムズがボールを持ちますが、サポートが機能せず孤立する場面が多く見られました。
ですので、連動していないBKと言うよりかは、やはりFWの突破力がメインの攻めになるでしょう。
ということは、日本からすればフィジカル勝負になります。
相手FWを前に出さなければBK展開も日本ディフェンスの前には脅威ではなくなります。
今回は、それも見越し日本代表もフィジカルなメンバー起用になっています。
反則が多い
サモアは、これまでのプール予選2試合で、ロシア戦で9回、スコットランド戦では15回も反則をしています。
相手に反則があればそれだけ、優位に試合を運べます。
つまり、相手の反則を誘うようなフレストレーションの溜まるプレーを続ければ、自然と相手は反則を犯してくれるチームでもあります。
我慢強いボールキープやディフェンス、キックで相手FWのラインを下げる等、日本代表には有効な引き出しが多くあります。
その中でも、スクラムのプレッシャーもポイントの一つとなるでしょう。
日本のスタイルは、反則やミスを最小限に抑える規律のあるプレースタイル。
相反するサモアとの試合で、両チームの反則回数も見ものです。
日本代表のサモア対策
日本代表がまず注意する事は、やはりFWの突破力です。
サモアのFWは荒々しいだけあって突破力があります。
日本代表の強みである、組織的なディフェンスで早めの潰しが、サモアの反則を誘う事にも繋がります。
また、ナナイウィリアムズのキック&カウンターにも要注意です。
1人でトライが取れる程、スキルは高いので前戦と日本のBK陣は変更なしなので、マークする必要があります。
ゲームプラン
ゲームプランは、FW主導のゲーム運び。
サモアの反則から、セットプレーのプレッシャーを与える流れが理想です。
そして、相手の体力を消耗させたところで、リザーバーに控えるベテラン勢や、スピードのある福岡等を投入する、アイルランド戦と似た展開に持ち込むことができれば、問題はないでしょう。
危険プレーが多くなることも予想できますので、主力選手は巻き込まれないか心配な部分もありますが、サモア戦でしっかりBPも獲得し、スコットランド戦への弾みをつけたいところです。