先日、ラグビー日本代表がアイルランド(世界ランク2位)を破り、世界をまたしても驚かせてくれました。
前回大会でも、南アフリカを破り世界を驚愕させましたが、今回はマグレではなく、日本代表は強いと改めて世界に証明してくれたのだと思います。
目次
ラグビー世界ランク
ラグビーというスポーツは格差の出るスポーツです。
少しレベルが違うとワンサイドゲームになり、大きな点差となって試合結果に表れるスポーツです。
その中でも、国単位になるとレベルの違いが顕著に出てしまいます。
特に世界ランク8位以上は9位以下と大きなレベルの差があると言われます。
随時世界ランクは変動するので、入れ替わりも激しいですが。
現在の世界ランクTOP10は以下
- ニュージーランド
- ウェールズ
- イングランド
- アイルランド
- 南アフリカ
- オーストラリア
- フランス
- 日本
- スコットランド
- アルゼンチン
先日、日本がアイルランドを下したことで、アイルランドはポイントを失い、1ヵ月足らずで1位から4位に転落し、日本は次戦のスコットランドよりも上位に食い込みました。
先ほど、言ったように8位以上は強豪国と言えるので、日本は晴れて強豪国の仲間入りを果たしました。
さらに、ラグビーの強さを図る「階級」にはティアと言うものもあります。
強豪国はティア1で、中堅国はティア2となります。
ティア1は欧州6カ国(イングランド、アイルランド、ウェールズ、スコットランド、フランス、イタリア)と南半球4か国(NZ、オーストラリア、南ア、アルゼンチン)。
日本はティア2の中堅国に当たります。
因みに、アイルランドと言う国はこの間まで1位でしたので、サッカーで言うとスペイン・ブラジル・イングランドに勝つというほどの快挙です。
南アフリカに勝つのとアイルランドに勝つのはどちらが凄い?
前回大会の南アフリカ戦では、「スポーツ史上最大の番狂わせ」といわれた日本の大金星。
それほどまでに、ラグビーにおいては番狂わせを演じ、大金星を挙げることは難しく考えられないスポーツです。
オッズを見ても、南アフリカでは1倍台のオッズに対し、日本は80倍というオッズがつけられたほどです。
それから4年後の、今大会でも日本代表はアイルランドを退け大金星を挙げる快挙を達成しました。
では、南アフリカに勝つのとアイルランドに勝つのはどちらが凄い?と問われると、世界ランキングではアイルランドが上位に立っていましたが、前回の南アフリカに勝つことの方が断然凄い事です。
もちろんアイルランドに勝つことも、大金星といっていいほど凄い事には違いありませんが、世界ラグビーでは、ニュージーランドと南アフリカのツートップということは疑いありません。
唯一対抗していたのがオーストラリアとイングランドで、それ以外は歯が立たないという様相でした。
しかし、前回大会でその評判を覆し日本が勝利したので世界が驚いたのです。
それだけ日本は前回大会で大きな事を成し遂げたのです。
なぜアイルランドに勝利できたのか
今大会で、なぜ日本が勝てたのか分析すると。
メンタリティから
まず、メンタル面から考察します。
そもそもラグビーはメンタルスポーツと言っていい程に、メンタルによって大きな差が出ます。
あれだけ身体を当て合うスポーツですが、少しの怯みや委縮等、弱みが出ると圧倒されてしまいたちまちワンサイドゲームになってしまいます。
しかも、戦略的にも見ていて感じずらいですが、緻密で組織的なプレーがあの荒々しい中で行われています。
身体だけではなくゲームの理解力が問われるスポーツでもあるのです。
そういったことを踏まえ、今回の大金星の要因は
- 日本開催という地の利のアドバンテージ
- 前回大会で南アフリカに勝ったという自信
- ゲームプランがチームに浸透
- 強豪国とのマッチアップで培った経験
- 絶対に勝てるという雰囲気をチーム全体で共有
こういった要素が今回のアイルランド戦にはありました。
スタジアムは47000人の大観衆で、アイルランドも圧倒されていたでしょうし、試合後のインタビューでもマイケル・リーチが「絶対に勝てると思って試合に臨んだ」と、勝因を聞かれた際に答えていました。
それだけ、充実したメンタル状態で試合に臨めたことが間違いなくプラスに作用しています。
戦略面から
大きなポイントは、試合終盤でのフィットネスと集中力です。
前半こそ先制をくらいましたが、後半は完封しています。前半を捨てたわけではないでしょうが、恐らく前半の失点は想定内だったと感じます。
以前からの日本代表の、「走り勝つ」という点が発揮されたのではないでしょうか。
後半でも、危ないシーンはありましたが集中力を切らさずにピンチを脱する場面も多くありました。
何よりも、ミスが少なくタックル後に次のプレーに復帰する速さは、アイルランドを苦しめました。
統率の取れた動きにハードワーク。日本の練習量が試合に発揮された形です。
田村を中心にゲームコントロール(前半はキックをあまり使っていない)し相手を早い段階で消耗させた戦略が何よりの勝因です。
- 前半の田村のゲームコントロールと点差を大きく開かせないキックゴール
- ミス・反則の少なさ
- ラインの修復やサポートの速さ(ボールを触っていない時の動き)
- スクラム等、フォワードの粘り
- 個々の戦略理解
- 後半福岡の投入
日本の良いところが、多く出てアイルランドは良いプレーをさせてもらえなかったように見えます。
相手を封じる相手の嫌がるプレーを日本は80分間集中力を切らさず、続けれたことが今回の大金星に繋がりました。