長年にわたり、大人から子供まで幅広く親しまれているジョナサン・スウィフトの「ガリバー旅行記」は、子供向けの絵本として有名というイメージが多くの人にはあるとおもいます。
実際に、私もそのようなイメージを持っていましたが「ガリバー旅行記」は約300年前の作品であり、日本でも知らない人がいないくらいの知名度を誇り、度々リメイク映画やパロディー作品が公開されるなど、「ガリバー旅行記」の人気は根強いものがあります。
絵本は原作の一場面にすぎない
私が気づいたのは、絵本では小人と巨人の話しか描かれていないことです。
本来の「ガリバー旅行記」には、小人と巨人に続き、空飛ぶ島「ラピュータ」、続いて、馬の姿をした種族フウイヌムの話が続きます。
しかし、絵本には前の二つだけしか描かれていないのです。
「ガリバー旅行記」の絵本は数多くあると思うので、必ずしも小人と巨人の話しか描かれていないとは考えにくいですが、私の知っている絵本の「ガリバー旅行記」では、空飛ぶ島「ラピュータ」と馬の姿をした種族フウイヌムの話が絵本に描かれていた記憶が全くないのです。
ガリバー旅行記はメルヘンでユーモアあふれるかと思いきや…
「ガリバー旅行記」を読んでいてビックリしたのが、旅の帰り道でチラッと日本が出てくることです。
これは有名な話だったらしいですが、初めて読むので衝撃でした。
まず、小人の国から見てみると、戦争をしており、この戦争の発端が、卵を細い方から食べるか、太い方から食べるかというなんとも言い難い原因で戦争をしているのです。
確かに少し子供向けの内容であると感じることができます。
次に、巨人の国です。
巨人の国は、農業で成り立ち、宮廷でも農夫でも家庭がきちんと存在し人々が温かく親切です。
この小人と巨人の内容は、後に続く変わり者の国と馬の国に比べ、子供受けの良さそうな内容ですが、後者はそのまま子供に読ませるには少し刺激が強すぎるかも知れません。
まとめ
ガリバー旅行記は内容的には絵本になっていない後半の方が濃いものに感じます。
「ガリバー旅行記」では小人、巨人、学者の国、不死の国、そして馬の国など現実にはありもしない国々を舞台に設定することで、人間を様々な角度から見ることが出来るものです。
これは作者のジョナサン・スウィフトの政治体制に感心が強かったことを表しているとされています。
私は、ガリバー旅行記は、もっとメルヘンチックな子供向けの物語だと思っていましたが、実際は歴史と内容のある文学作品ではないかと感じる事ができました。
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