世界トップ宗教と言えば、間違いなくキリスト教です。
影響力や規模・歴史等、どれをとっても世界基準となり、実際に世界中に広まっているまさにワールドワイドな宗教です。
他のサイトでも多く取り上げられ、詳しく書かれていますが、出来るだけスッキリ簡潔に、項目ごとで解説していきます。
概要
キリスト教は何を持ってキリスト教とされているのかと言うと、聖書と言う書物とイエス・キリストという人物によるところが大きいです。
裏を返せば、この聖書とイエスを語らずキリスト教は語れないとも言えます。
発祥は
キリスト教の発祥は、今から約2000年前の西暦30年頃のエルサレム発祥と言われています。
この西暦30年頃と言うのは、有名な話であるイエス・キリストが十字架に磔にされた時の年齢が30歳頃という事からです。
(西暦と言うのは、イエスの誕生した年を基準に西暦1年としていて、世界中でこの西暦表記はスタンダードになっている)
イエス・キリストとは
イエス・キリストは、今や世界一の歴史的人物です。
イエスは名前であであり、キリストはヘブライ語のメシア(救い主)という意味を持ちます。
イエスは、エルサレムの近郊ベツレヘムで生まれ、ナザレで大工の子として育ちました。エルサレム産まれという事はイスラエル民族ですので、ユダヤ人です。
ベツレヘムとナザレは、150Km程離れていますので、大阪ー名古屋間ほどの距離になります。
元は、ユダヤ人でユダヤ教徒でしたが、このユダヤ教の戒律が厳しかった事で、イエスはユダヤ教批判、神の子であると啓示があったと言い。「神を侮辱した」とユダヤ教徒の強い反発を受け、先述の十字架の磔へと繋がります。
その後、死後三日目で復活し、その後40日間弟子と共に過ごし弟子の目の前で天に上る等、逸話は多数。
イエスを簡単に説明すると、世界最大の宗教を生み出すまでの奇跡の連発を起こす人物です。
聖書とは
聖書というと、誰もが聞いたことのある単語だと思います。
キリスト教では、この聖書の旧約聖書と新約聖書の二つが正典とされています。
まず、旧約聖書はユダヤ教典の事です。ユダヤ教の経典にはイエスが誕生する予言が書かれている事が所以であります。
新約聖書は、イエスキリストの昇天後、弟子たちがイエスの生涯と言行を記し福音書と、弟子たちの殿堂記録の使徒行伝、使徒たちの書簡、黙示録などから構成されています。
ですので、どちらもイエスキリストが書いたものではないという事です。
ですが、聖書は世界最大の発行部数を誇る書物とされています。
諸説ありますが、60億~80億部ともいわれますが、他説では4000億部数とも。日本では、明治~現在に至るまで、およそ3.5億部の発行があったという事です。
因みに、ワンピースは4.5億部の発行です。
聖地は
聖地とは、神と関りが深い場所を指すのですが、キリスト教においては、ユダヤ教・イスラム教と同じエルサレムが聖地となります。
なぜエルサレムが聖地かというと、エルサレムはイエスが十字架に磔にされたと同時に、復活した場所でもあります。
また、キリスト教最大の聖墳墓教会が建っています。現在もキリスト教徒は、かつてイエスが十字架を背負って歩いた道(悲しみの道)をたどっています。
何を信仰しているのか
キリスト教が、何を信仰対象としているのかというと、言わずもがな「神(ゴッド)」です。
「Oh my god!(オーマイゴッド)」 や「 Jesus (Christ)! (ジーザス)」は、日本でも聞く言葉ですが、ここでの神はキリスト教の神を指します。(ユダヤやイスラムは、軽々しく神という言葉を使わない戒律がある)しかし、ユダヤ・キリスト・イスラムも厳密にいえば同一神(唯一神)なのですが。
また、キリスト教の特徴として、忘れてはならないのが「イエスキリスト=神の子」ということ。
キリスト教では、イエスキリストを信仰の主軸としているので、この神の子であるイエスキリストが信仰対象となる事が主流となっています。(偶像崇拝がNGなので「三位一体」理論で解決)
神・イエスに、精霊が加わり、「三位一体」と言い。この三つを一つとして信仰するのがキリスト教という事です。
?が出ると思いますが、信仰とはそういったものです。
目的は
キリスト教の目的を、固い言葉で説明すれば、人間の倫理上の欠陥を除去し、神の創造の当初に企図された状態に人間を復帰させることにある。
という事です。
イエスは「この世の終わりが近づいているから悔い改めて神を信じよ」と説きます。
そして、イエスの弟子が、「イエスを救世主と受け入れれば、死後、この世が終わるときの審判で神の国へ入れてもらえる」と主張した宗教です。
ですので、「死後に地獄に行かぬよう、現世で天に召される生き方」を示すのが、キリスト教の目的であると言えます。
カトリックとプロテスタントとギリシア正教(正教会)
キリスト教は教派に分かれている事は多くの人が知っていると思いますが、その中でも有名なカトリックとプロテスタント、そしてギリシア正教。
歴史もこれほど長いキリスト教ですから、考えの相違で派閥が出来てしまう事は何ら不思議ではありません。
そもそも、キリスト教自体がそういった歴史を辿っている訳ですので。
では、それぞれどういった経緯で派閥が生れていったのかを説明すると。
ギリシア正教
実は、このギリシア正教が一番オーソドックスと言われ3.5億人の信徒がいると言われています。
キリスト教が始まった当初の教えを差異なく実行しているとも言えますので、純キリスト教といったイメージが強いのではないでしょうか。
ですので、この正しい教えと新しい事を取り入れたカトリックとギリシア正教の2分派が、キリスト諸教派の始まりと言えます。
カトリック
カトリックは、キリスト教最大派閥でその数は11億人と言われます。
カトリックは新しい事を取り入れて、より信仰を広げていこうといったリベラルな考えを持っています。ですので、これほどまでに大きくなったのですが、ギリシア正教と別れてしまったきっかけは、偶像崇拝にあります。
キリスト教では、ユダヤ教の流れを汲んで偶像崇拝は禁止されていました。(神を絵や銅像等、形に表す事は冒涜とされる為)
しかし、より信仰を分かりやすくするためには偶像を使った布教が効率的であった為、偶像崇拝を解禁しました。
当然、信仰に固いギリシア正教派に反発され、ここからギリシア正教とカトリックに分かれるわけです。
因みに、観光名所になるようなキリスト教会は主にこのカトリック教会です。マリア像等の彫刻やきらびやかな装飾がまさにカトリックの特徴と言えるでしょう。
プロテスタント
キリスト教と言えば、カトリックとプロテスタントだというイメージを持つ人が多くいると思いますが、実は、プロテスタントはギリシア正教とカトリックに分かれた後に、カトリックから派生した教派です。
何故カトリックから更に分かれたのかと言うと、カトリックは教会の老朽化などで資金繰りが難しくなり、免罪符を売るという事を始めたのが発端です。
免罪符を買えば、現生の罪は無くなり天国へ行けるという事もあり免罪符は多く売られ、金に走るような傾向がみられたことから、カトリック内でプロテスト(抗議)が起こり、プロテスタントが生れました。この抗議の中心がルターです。
そして、生まれたプロテスタントは聖書至上主義。
教会は重要視されなくなり、教会を持たない教派とされます。教会がまったくないわけではないので、プロテスタントの教会は、質素でシンプルなものです。
何故発展したのか
キリスト教が広まった経緯については、キリスト教の始まった黎明期に3つのポイントがあります。
まず、1つはギリシア・ローマの国境に認定されることにあります。当時のギリシア・ローマは世界人口の20%弱を占めており、世界的にも力があり植民地を増やしていました。その植民地でもキリスト教が広がりました。
2つ目は、弱者に対しても慈悲深い教理があった事です。当時は、階級社会で身分制度はかなり強いモノでした。しかし、キリスト教では身分の違いなど関係なく、キリスト教徒は献身的な働きかけをしたと言います。また、死が身近であった当時は、命の尊厳と死後の安寧は、当時の人々を惹き付けるに十分でした。
3つ目は、女性の地位の高さです。当時は男尊女卑が当たり前でしたが、キリスト教では女性が指導者に選ばれることも珍しくありませんでした。そんな女性指導者の下、虐げられる女性をキリスト教徒がサポートする事で、女性の支持も集まったのです。
こういった活動の下で、キリスト教は早い段階で世界人口の大半を獲得していったのです。
まとめ
キリスト教について、要点をまとめると。
- 世界№1宗教
- 聖書は旧約聖書(ユダヤ聖典)と新約聖書
- キリスト教はユダヤ教から生まれた
- イエスは神の子
- ユダヤ教とイスラム教は兄弟宗教
- 聖地と発祥はエルサレム
- カトリック・プロテスタント・ギリシア正教が主な教派
といったところが、キリスト教の重要なポイントでしょう。
教義は教派によって差異はありますが、主に新約聖書が信仰の原典となります。
世界で最も影響力のある宗教ですので、少し教養として知識に持っていて損はないと思います。
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